2020年中国国内携帯電話市場出荷量3.08億台、5G携帯電話が52.9%

CAICT(中国工業情報化部直轄情報通信研究院、China Academy of Information and Communications Technology)が2020年12月までの国内携帯電話出荷データを公表した。

5G携帯電話端末の出荷

2020年12月、国内携帯電話全体の出荷量は2659.5万台。
うち5G携帯電話は1820.0万台として同時期における全出荷数の68.4%を占めている。
12月5G端末新発売19モデル、全体の42.2%となる。2020年1〜12月までの5G携帯電話累計出荷量は1.63億台、国内携帯電話市場全体の3.08億台の52.9%になっている。2020年間5Gニューモデル数が累計218機種、全体の462機種の47%であった。

国産ブランド携帯電話の構成

2020年12月、国産ブランド携帯電話の出荷台数は2055.3万台、前年比22.8%減、同時期総出荷量の77.3%を占める。
2020年1〜12月までの国産ブランド携帯電話出荷台数累計2.70億台、前年比23.5%減、同期総出荷量の87.5%となった。新発売計413モデル、前年18.7%減、同時期携帯電話機ニューモデルの89.4%を占めることになった。

国内スマホー携帯電話

2020年12月、国内スマホー携帯電話の出荷は2521.8万台、前年比12.8%減、同時期携帯電話出荷台数全体の94.8%を占める。新発売40モデル、全体の88.9%を占める。
2020年1〜12月のスマホー携帯累計出荷は2.96億台、前年比20.4%減、同時期携帯出荷台数全体の96.0%となった。新発売計363モデル、前年比14.4%減、同時期ニューモデルの78.6%となった。

文章・画像の引用先:
2020年12月国内手机市场运行分析报告(中文版)
http://www.caict.ac.cn/kxyj/qwfb/qwsj/202101/P020210111516579518562.pdf
http://www.caict.ac.cn/kxyj/qwfb/qwsj/202101/P020210111517147991073.pdf

バス型5G移動式PCR検査車がPCR検査の最前線に向かった

2021年1月7日、山東聯通と銀豊生物集団が共同で設立した山東省最初の5G移動PCR検査ラボが現在、コロナウィルスPCR検査の最前線である河北省邢台市の支援に向かった。当該ラボは山東省で最初のバス型5G移動式検査実験室である。

http://xx.sdnews.com.cn/xx/202101/t20210109_2849578.htm

2020年11月26日済南日報の報道によると、「コロナのパンデミックの予防と管理が正常化するにつれ、PCR検査は私たちの健康的な生活を確保する上で重要な役割を果たしている。 11月19日、銀豊DNA科技が自主研究開発したバズタイプの5G移動式PCR検査実験ラボが納車された。検査車両には検査自動化装置と実験管理システムが統合され、2万人分/1日検査能力を有し、最速2時間以内で検査結果が把握できる。検査データがリアルタイムで送信されるため、コロナの予防と対策に強力にサポートすることが可能だ」という。

同報道ではその研究開発について以下のようになっていた。「2020年6月に発行された山東人民政府による国務院「政府活動報告」に関するいくつかの措置の実施」にて、「車載CT、車載PCR検査およびその他の車載移動医療機器の開発・製造、移動医療機器の研究開発のレベルの向上」が必要であると明確に示されていた。今回は銀豊DNA科技社が率先して積極的に車の設計と開発を開始した。」

文章・画像の引用先:
http://jnrb.e23.cn/shtml/jinrb/20201126/1883218.shtml
http://xx.sdnews.com.cn/xx/202101/t20210109_2849578.htm
https://mp.weixin.qq.com/s/NO7q6RNgg8F0qNEWMHbVWw

国家級IoV C-V2X試験区の整備

1月7日、重慶市人民政府宛に、重慶市両江新区での『国家級IOV C-V2X試験区整備への支持』と題する返答が届いた。工業情報化部科函〔2020〕369号文件だった。

IoVとは、自動車のインターネット化(Internet of Vehicles)。C-V2X は Cellular Vehicle-to-Everything。
この頃、重慶市両江新区にて約100キロの都市モデル道路(スマート道路)とi-VISTAスマートカー統合テストゾーン、空港工業団地スマートロジスティクス5G自律運転第一期プロジェクト等を整備した。

当該試験区の目標は、IoVの大規模な応用を促進することにある。
主要な高速道路と都市道路の規模でセルラーカーネットワークであるC-V2Xを展開し、5Gとスマートシティの開発を統合する。主要地域での交通IoV機能の改善とコアシステムの向上を図っている。

C-V2X産業MAP
上から、「通信チップ」、「通信モジュール」、「端末設備」、「自動車製造」、「運営サービス」、「測定検証」、「高精度位置測定及び地図サービス」。
出所:中国通信学会『蜂窝车联网(C-V2X)技术与产业发展态势前沿报告(2020)』
http://www.china-cic.cn/upload/202012/09/de38bbae1ea14b70b512606ecd59671c.pdf
http://www.liangjiang.gov.cn/content/2021-01/07/content_10110200.htm

中国IoV C-V2X産業サプライチェーン構図と特許

C-V2X特許の地域別保有状況
出所:中国通信学会『车联网知识产权白皮书(2020年)』
http://www.china-cic.cn/upload/202012/09/94a3f7d29a674344af0b52a7c7436c61.pdf
C-V2X特許の企業別保有状況
出所:中国通信学会『车联网知识产权白皮书(2020年)』
http://www.china-cic.cn/upload/202012/09/94a3f7d29a674344af0b52a7c7436c61.pdf

中国通信学会発行の『C-V2X技術と産業発展前線報告書(2020)』と『IoV特許白書(2020)』によると、中国C-V2Xの産業化が進み、川上から川下まで通信チップ、通信モジュール、端末設備、自動車製造、運営サービス、測定検証、高精度位置測定及び地図サービス等とサプライチェーンエコシステムが既に形成されつつあるという。

C-V2X特許の地域別保有状況からみると、中国、米国、ヨーロッパ、日本、その他の順である。企業別保有状況ではHuawei、ZTE、LG、大唐、エリクソン、クアルコム、サムスン、AT&T、インテルとinterdigitalがトップ10となり、通信業ベンダーがほとんどである。

文章・画像の引用先:
http://www.china-cic.cn/upload/202012/09/de38bbae1ea14b70b512606ecd59671c.pdf
http://www.china-cic.cn/upload/202012/09/94a3f7d29a674344af0b52a7c7436c61.pdf
http://www.liangjiang.gov.cn/content/2021-01/07/content_10110200.htm
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1688219880079758294&wfr=spider&for=pc
https://mp.weixin.qq.com/s/Nxenq11kO7_KQjwthGLkJA
https://www.miit.gov.cn/jgsj/kjs/jscx/art/2021/art_4570dba1438b405d93abee5bbfdef733.html
http://www.gov.cn/xinwen/2018-12/28/content_5353034.htm

工業情報化部と中国建設銀行が「中小企業金融サービス協力協議」締結

https://mp.weixin.qq.com/s/I22G86acQdAghZ9QiREZhw

1月5日、工業情報化部と中国建設銀行が「中小企業金融サービス協力協議」を締結した。当該協議は、中小企業向け金融サービスの推進と新たな発展構造の構築を目指し、「産業政策と金融政策の協同」を図った取り組みとされている。

調印式には、工業情報化部肖亜慶部長と中国建設銀行田国董事長らが出席し、工業情報化部王江平副部長と中国建設銀行王永慶副書記が両当事者を代表して協定に署名した。

肖亜慶部長は、習近平総書記は中小企業の発展を非常に重要視しており、これまで中小企業の資金調達に関する重要な指示を数回出していると述べた。中国共産党第19回中央委員会の第5回全体会議と中央経済業務会議では、イノベーション型中小企業がイノベーションの重要な源となるように中小企業への財政支援を増やすべきと明確に要求している。

文章・画像の引用先:
https://mp.weixin.qq.com/s/I22G86acQdAghZ9QiREZhw

デジタル時代に「取り残された」高齢者達

これは昨年からずっと気にかけてきたトピックの一つ。
昨日の「新京報」にて北京市の高齢者のメディア利用、とりわけ携帯電話利用についての実践例を報道していた。

デジタル化に取り残されている高齢者のデジタル事情

COVID-19対策を経験した中国では、2020年2月半ばからデジタル化の推進を加速するようになっていた。コロナの長期化により、今なお、多くのスーパーなどで健康Qコードの提示などが求められている。携帯電話の操作がうまくできない場合は紙ベースでの登録となるケースが各地にて多発している。

60歳以上のインターネット利用者が10.3%

中国インターネット情報センター(CNNIC)の第46回『中国インターネット発展状況統計報告』によると、2020年3月〜6月間、中国60歳以上の高齢者インターネット利用者が元の6.7%から10.3%に上昇し、3400万の高齢者がこの3ヶ月間にてインターネットを利用するようになったことを意味する。
疫病で多くの高齢者が「やむをえず」インターネットにアクセスするようになった。

1.57億の「デジタル難民」

国家統計局のデータによると、2019年末中国60歳以上の高齢者が2.54億人、全人口の18.1%を占める。民政部によると、「第14次5カ年」期間中、全国の高齢者人口が3億突破し、中度高齢化に突入し、人口構造がますます高齢化する見込みである。

CNNIC上記報告では、2020年6月、中国インターネット利用者が9.40億、うち60歳以上の利用者層がわずか3ヶ月で10.3%の3400万人に上ったものの、1.57億の高齢者が未だにインターネットに接触していない計算になっている。
情報化社会においては、この人達が「デジタル難民」と言われ、典型的な情報弱者である。

対策として

http://www.gov.cn/zhengce/content/2020-11/24/content_5563804.htm

COVID-19対策から露呈してきた高齢者のこのようなデジタル問題が社会から大きな関心を寄せていた。例えば健康Qコードを提示できないことでバスや地下鉄、施設も利用できないなどがあった。

これについて、国務院が2020年11月24日に『高齢者のスマート技術利用困難についての実施方案』を公布していた。公布当時情報把握できていたが、実施が大変困難かと様子見をしていた。
今回の「新京報」の報道は高齢者の携帯電話、Wechatや健康Qコード利用に関する北京市内や無錫駅などでの改善や取り組みをまとめたものであり、コロナで中国への調査を見送り続けている中、少し状況を把握できた。

生活維持能力や生活そのもの、資源へのアクセスも限定されてしまう

便利・不便以上に、生活に必要不可欠なものの入手にこの問題が拭えないのは当事者の生活維持能力を決定的に左右する要因になり、解決されないままでは生活そのものの質、資源へのアクセスも極端に限定されてしまうほど切実な問題と考える。

CCTVでの報道(2020-11-24)

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1684247654285459251&wfr=spider&for=pc

文章・画像の引用先:
http://www.gov.cn/zhengce/content/2020-11/24/content_5563804.htm
https://mp.weixin.qq.com/s/N1RaGKX0ZlUJmijYqj4-kA

2021年以降の中国5Gの方向性と通信事業者の方針⑩ネットワーク強国建設

1月4日、2021年の仕事始め。工業情報化部Wechat公式アカウントでは、2021年度全国工業情報化業務会議(2020-12-28)での部長発言を引用した以下の記事を更新した。


工業情報化部にて「製造強国」と「網絡(ネットワーク)強国」建設に専念するように激励をするために厳粛な旗揚げ式典を行った。工業情報化部長肖亜慶氏及び党指導部幹部らが出席した。

肖亜慶氏の発言によると、
「チャンスは挑戦より大きい。健全な発展を持続する点は変わらない。製造強国とネットワーク強国の建設状況に着眼し、産業基盤の高度化と産業サプライチェーンの近代化を目立つ位置に置くべき。」

「ネットワーク強国」

「ネットワーク強国」とは、2020年末の上記会議にて初めて取り上げられ、2021年最初の記事に飾るなどからみると、2021年も5G建設方針や社会基盤としてのインフラのデジタル化が継続されるだろうと理解できる。

まだ明確とした定義はないが、工業情報化部が発するネットワークといえば、ポストコロナから言われ続けてきた「新型インフラ」の定義発表新聞記者会見にて言及した「情報インフラ整備」や両会の2020年度政府業務報告にて重点的に支持するとされる『両新一重』の「新型インフラストラクチャ」(5Gの応用、充電パイルの増設、新エネルギー自動車の開発等)の中のネットワーク的な部分の強化としてもとらえられる。

具体的な定義などしばらく目が離せない。

文章・画像の引用先:
https://mp.weixin.qq.com/s/cENfX_cJCsWcPJiMNQHZzA
https://mp.weixin.qq.com/s/RLK45m_ZaQC8zQCbCDkipg

2021年以降の中国5Gの方向性と通信事業者の方針⑨「六穏六保」を着実に実行

https://mp.weixin.qq.com/s/wFnRwrVFb5iWDiyDrezx0A

2021年に向けて中国三大通信事業者昨年末に2021年度業務会議を行われ、工業情報化部副部長劉烈宏氏がそれぞれ出席した。その後2021年度全国工業情報化業務会議も行われていた。

2021年度全国工業情報化業務会議では、以下の要点が強調された。
製造強国とネットワーク強国の建設状況に着眼し、産業基盤の高度化と産業サプライチェーンの近代化を目立つ位置に置き、「六つの安定」と「六つの保障」の要求を着実に実行する。重点産業と主要リンクの自主管理可能性を強化し、合理的な国民経済の発展を促進させ、「第14次5カ年計画」の良好なスタートを確保する。

「六穏六保」とは

2020年全人代の政府活動報告にて2020年経済政策の企業を示すフレーズである。
「六つの安定(六穏)、六つの保障(六保)」ではいずれも「就業」を最初に取り上げるなど、2020年最重要課題として経済を正常な軌道に載せて就業を回復するという政策指針である。

2021年もこの「六穏六保」指針を着実に実行しつづけ、5G建設も内需消費拡大の一環であるという位置づけも変わらないようである。

文章・画像の引用先:
https://mp.weixin.qq.com/s/3_frmWmXlklzWOapX2UJmw
https://mp.weixin.qq.com/s/wFnRwrVFb5iWDiyDrezx0A
https://www.ndrc.gov.cn/xxgk/zcfb/tz/202010/t20201029_1249273_ext.html
https://www.ndrc.gov.cn/xxgk/zcfb/tz/202010/P020201029597065666501.pdf

2021年以降の中国5Gの方向性と通信事業者の方針⑧2021年5G基地局目標60万

12月28日に行われた2021年全国工業情報化業務会議にて、工業情報化部部長である肖亜慶氏が2021年においても5Gネットワークの建設と応用を推進するとし、主要都市での5Gカバレッジ、共同建設を加速し、新たに5G基地局を60万以上建設する目標を明らかにした。

肖亜慶部長によると、5Gの建設を牽引力とし、データセンターとクラウドコンピューティング設備の展開を調整する必要がある。
同時に、10の主要産業に焦点を当て、20の典型的な工業アプリケーションシナリオを形成し、工業における5Gプライベートネットワークの試運転拠点を実行する。一部の5Gミリ波周波数計画について適時に発表するとある。

2020年の5G発展状況

工業情報化部情報通信発展司司長である聞庫氏の紹介によると、2020年中国では約58万基の5G基地局を新設し、トータルで約71.8万基になった。うち、共同建設が33万基。2020年1月から11月まで国内市場への5G携帯電話の出荷量が1.44億部、5G端末による接続数は2億超えている。

応用に関しては、5Gがスマート製造・医療・エネルギー等の注目産業にて有用性を見せ、ビジネるモデルも見え始めているため、その他の産業への応用や展開、波及効果が期待できる段階に入ったという。

文章・画像の引用先:
http://www.cinn.cn/yw/202012/t20201229_237215.html
https://mp.weixin.qq.com/s/Zxuo9awjm_KxHf5DQ38Ngw

中国も4G LTE帯域の一部を5G転用許可!

  工業情報化部が事業者別に公布した周波数の情報を元に筆者作成

https://www.miit.gov.cn/jgsj/wgj/gzdt/art/2020/art_1a85d269a25f4232931400935405673b.html

2020年12月22日、工業情報化部にて三大通信事業者の5G周波数使用座談会を開催した。無線電管理局、情報通信発展司、情報通信管理局と国家無線電管理センター関係者が出席した。会議では、中国電信、中国移動と中国聯通への5G中低周波数帯域使用許可書を更新し、交付した。

前回2018年に発行した5G中低周波数帯域使用許可書が期間満了につき、むこう10年間使用期限の許可書に更新することになった。

今回の更新と共に、現在使用中の4G周波数の5Gへの一部転用も許可され、5Gネットワークの建設を配慮した施策とされている。

日本においても総務省は10月9日にKDDIとソフトバンクの5G周波数転用計画について700MHzと1.7GHzを許可していたが、中国工業情報化部は今年4月1日に700MHzを5G用に許可し(中国広電)、今回の転用許可で2.1GHz帯域での中国電信と中国聯通の共同建設がより積極的になる見込みだ。

文章・画像の引用先:
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_10506539
https://www.miit.gov.cn/jgsj/wgj/gzdt/art/2020/art_1a85d269a25f4232931400935405673b.html
https://ythxxfb.miit.gov.cn/ythzxfwpt/hlwmh/tzgg/xzxk/wxdhwxtx/art/2020/art_9696e32a420f4ecfafc1f5e5bdc443e4.html
https://www.miit.gov.cn/xwdt/gxdt/sjdt/art/2020/art_26fdd0215325459ca9f86c1a8b34b9ac.html
https://mp.weixin.qq.com/s/ao49K640UzX86g8lPwnj5Q

2021年以降の中国5Gの方向性と通信事業者の方針⑦

12月17日に開催した「2020通信産業大会&第十五回通信技術年会」にて中国聯通5G共同建設グループ長である苗守野氏が2020年中国電信社との共同建設の成果を発表した。

中国電信と38万になる5G基地局を協同構築

2020年末、中国電信社と共同で構築した5G基地局は38万に上り、全国300以上の地方都市でカバレッジを実現している。
6月にてビジネス向けのSAネットワーク、9月にはコンシューマ向けの商業化を開始している。11月には北京、広東にて世界初のスライシングサービスをスタートしている。2021年には全国規模にて5G SAネットワークのスライシングを展開する見込みだ。

中国聯通社はこれまで5GUserを一切発表してこなかったが、今回もそのような発表はなかった。

文章と画像の引用先:
https://mp.weixin.qq.com/s/7PHdcJ1xmYgu_xXqHQWHjg