中国深セン市5Gユースケース⑤スマート港

深セン最初の5Gスマート港「妈湾スマート港」
http://shenzhen.news.163.com/20/0820/13/FKFQQHKL04178D6R.html

深セン市の5Gスマート港プロジェクトは、

招商局集団5Gスマート港イノベーションラボラトリー

を母体に展開している。

深セン市港協会:http://www.szports.org.cn/cn/industry-new/item/497-5g.html

「5Gスマート港ラボ」設立の意味が大きい

2019年6月24日、招商局集団*5Gスマート港イノベーションラボラトリー(以下、5Gスマート港ラボ)の設立式が招商局港ビルにて開催した。市政治協会副主席、招商局(China Merchants Port)グループ副総経理、深セン市工業情報化局等の要員が出席した。

https://www.sohu.com/a/323187044_487444
https://www.sohu.com/a/323187044_487444

5Gスマート港ラボの設立は、深セン市5Gスマート港建設の本格始動を意味する。設立に向けて、深セン市工業情報化局と招商局港口グループが約2ヶ月前の2019年4月11日にて既に協力協定を結んでいた。

開幕式では、招商局国際情報技術有限公司、中国移動深セン子会社、華為(Huawei)技術有限公司、三一海洋重工有限公司、杭州海康威視(ハイクビジョン)デジタル有限公司等10社がラボ共同建設宣言に署名した。招商局集団が投資資金を注入し、すべての関係者と共同で、港湾産業およびグローバルサプライチェーンにおける5G技術の応用を模索し、深セン市ビッグベイエリアにおける5Gインターナショナルテクノロジーの産業イノベーションセンターの構築にも寄与するとした。

「労働集約型」から「機械集約型+労働集約型」へと移行する招商港深セン西部港湾エリア

http://www.norco.com.cn/News/818.html

招商港深セン西部港湾エリアには妈湾港区、蛇口港区と赤湾港区がある。
1990年に妈湾港が開業した当初は、主に深セン経済特別区の建設に必要な木材、鉄鋼、セメントなどの建設資材の輸送に使用されていた。当時の港は労働集約型産業であったが、その後コンテナターミナルの整備により「機械集約型+労働集約型」へと徐々に移行してきている。

「妈湾スマート港」の今:メディア注目の的

https://www.sohu.com/a/413962695_803572

2020年8月17日、広東省深セン市にて行われた「深センに火を灯す、5Gスマート都市」セレモニーにて招商局港口グループ株式会社(China Merchants Port)副総経理、首席デジタルオフィサーである李玉杉が「妈湾スマート港」は最終テスト段階に入っており、稼働後世界港業界のAI化モデルとなる見込み」と発表していた。

翌日8月18日午後、人民日報、新華社、光明日報など20社以上の記者が妈湾スマート港に集まり、取材した。

https://www.sohu.com/a/413962695_803572

招商港副総経済師劉杉によると、「妈湾スマート港」は港AI化建設で最初のプロジェクトとなる。5G等のテクノロジーを活用したことでARパノラマ管理、無人運転、リアルタイムドローンなどの機能を実現し、北斗の高精度GPSで港内船舶と設備のリアルタイム管理もできている。AI人工知能にてレッカー車ドライバーの安全運転行動のリアルタイム把握とその早期警告分析まで実行し、「安全、安定、高効率、智能」な積み降ろし作業を保証できている。

トラック
遠隔コントロールAIトラック
5Gによるガントリークレーンのリモートコントロール操縦室
5Gによるガントリークレーンのリモートコントロール画面
ガントリークレーンの現場

招商局集団:「招商局」グループは中国国務院国有資産監督管理委員会が株式の100%を所有する、香港特別行政区に登記されている非公開株式会社。 傘下には、海運、造船、港湾・高速道路・物流施設などの管理運営、不動産開発、金融などを手掛ける複合企業である(Wikipediaより)。
1872年清朝李鴻章によって設立され、100年以上の歴史を有する中国近代史上第一号の郵船運送企業(百度百科より)。

文章・画像は以下より抜粋引用:
深セン市工業情報化局:
http://gxj.sz.gov.cn/ztfw/ztzl/5gsd/zccs_189259/content/post_2008851.html
深セン市港協会:
http://www.szports.org.cn/cn/industry-new/item/497-5g.html
http://www.norco.com.cn/News/818.html
https://www.sohu.com/a/323187044_487444
https://www.sohu.com/a/413962695_803572
https://www.sohu.com/a/323221122_355798

中国深セン市5Gユースケース④スマート変電所

http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377577.htm

2019年12月、中国南方電力網初の変電所5G基地局が500kVの鵬城変電所で開通した。 5Gの高速低遅延を利用して、AIパトロールロボットと高画質カメラ等で通信問題を解決している。5GはAI電力網のアプリケーションを加速している。

http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377577.htm

5Gによる鵬城変電所への業務改善

鵬城変電所の日負荷は、深セン市送電網全体20%ほどを占めている。
雲南DCプロジェクト実施後、深センに電気エネルギーを送るための中枢的な変電所であるため、安全性と効率性の維持が最も重要とされている。

中国南部電力網深セン電力供給局の資産管理部の技術専門家である黄さんが記者にこう語った。
「これまでは、数多い機器の検査と操作を現場で手動で完了する必要があり、作業負担が高かった。 5Gを活用するようになった今は、パトロールロボットをボタンひとつで動き出し、変電所の設備情報を収集してくれるので、パソコンで操作するだけで稼働状況を分析・診断することができる。 1330項目ある点検リストを完成するのにもともと3日かかったところ、現在では1時間でできるようになった。
5Gは手動操作の限界を打ち破ることもできた。鵬城変電所の局長がこう言う。
「主変圧器のブッシング油面を点検するのは本当に頭痛い。油面計は地上10メートル離れているが、直径が5 cm未満のため望遠鏡でもはっきりと確認できない。今は 4K高解像度カメラを使用すると、ケーシングオイルレベルと赤外線熱画像マップを簡単に記録でき、システムのAIアルゴリズムで処理されるとレポートが自動的に生成される。」 現在、鵬城変電所にはパトロールロボットや5Gカメラなどを含め1,036のAI設備を整えている。

変電所外では、ドローンによるパトロールも実施している。

http://www.sznews.com/news/content/2020-08/28/content_23498807_0.htm
http://www.sznews.com/news/content/2020-08/28/content_23498807_0.htm
http://www.sznews.com/news/content/2020-08/28/content_23498807_0.htm

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377577.htm
深セン晩報http://www.sznews.com/news/content/2020-08/28/content_23498807_0.htm
電能革新https://www.sohu.com/a/330430252_764234

中国深セン市5Gユースケース③スマート公共バス

http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377628.htm

2019年8月、深センバスグループは、蓮花山バスターミナルで「5Gリーディングスマートバス」の発足式を行った。10と14系統に50台の5Gスマートバスを投資し、国内初の全路線5Gスマートバス隊を整備した。蓮花山バスターミナルも国内最初の5Gバス停留所になった。

5Gスマートバス路線

◆10系統:深セン羅湖、福田地区の2つの中心エリアを跨り、深南東路、紅嶺中路、紅荔西路を結ぶ5Gスマートバス路線は深セン主要なバス路線の1つ。

◆14系統:羅湖と福田地区を横断し、深セン有名なランドマークである蓮花山公園の周りの道に沿って、深センの伝統的なビジネス地区を通過する。

華為(Huawei)5G基地局車載Free Wi-Fi

下だり最大2Gpds(常時1.5Gbps)利用可能なHuawei5G CPE(Balong5Gチップ搭載)を車載している。乗車中は無料で利用可能。

利用にあたって、携帯電話などのWi-FiにてSZBUS_5Gを選び、登録画面にて携帯電話番号を入力した後、パスワードが届き、それを入力して利用可能になる。

高画質な映像伝送でより安全な交通を実現

車載高画質画像のリアルタイムな伝送とビッグデータ・AIによる画像分析にて公共交通サービスのアプリケーションを開発する。

◆アプリケーションシナリオ1:
車両運送中の安全運転を目指した行動識別、自動警報、応急処理の応用。

◆アプリケーションシナリオ2:
高画質な映像より顔、体型の自動認識から乗車履歴と正確な乗客OD表をを生成する。

「深セン旅行」サービス

深センバスグループAI部門のマネージャー張偉は次のように述べている。
「私たちは高速なネットワークを体験してもらうと同時により楽しい体験をしていただきたい。その気持から「深セン旅行」サービスをつくった。車載360度カメラで途中の風景を全部録画し、クラウドにアップする。いつ・どこからでもAPPやインターンネットから深センの景色を楽しめる。もちろん、VRあればもっとリアリティのある体験を得ることができる。まるで我々のバスに乗車しているかのように深センの町並みを目の前で感じられるようになる。」

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377628.htm
公共交通情報https://www.sohu.com/a/334941747_99949100
深セン晩報http://shenzhen.sina.com.cn/news/s/2019-08-19/detail-ihytcitn0169948.shtml

中国深セン市5Gユースケース②スマート医療

9月4日付けの「世界最大の5G独立ネットワーク構築、全域カバーを実現した都市ー深セン!」にて紹介している深セン市5Gユースケースについて①スマート空港、②スマート医療、③スマート公共バス、④スマート変電所と⑤スマート港の5つについて順次整理している。

本日は②スマート医療について色々調べたが、思ったほど情報が出ていない点が興味深い。継続して調べる必要がある。

深セン新聞網http://www.sznews.com/news/content/2019-04/02/content_21583601.htm
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1629768391717770670&wfr=spider&for=pc

深セン初の5Gスマート病院拠点

2019年4月2日、深セン市第3人民病院(市第3病院)は中国電信深セン子会社、華為技術(Huawei)有限公司と「5G戦略協力フレームワーク」契約を締結した。中国電信の5G、クラウドと光ファイバーネットワークの有効な組み合わせにてスマート医療界のイノベーションと密接な協力を展開することに合意した。深セン市初・中国感染症専門病院初の5Gスマート医療モデルを全力にて構築するという。

市第3病院院長のLiu Lei氏はこう紹介した。
病院、中国電信とHuaweiは5G通信環境下における遠隔診察と遠隔操作類の応用について共同研究を進める予定。例えばリモートロボット手術、リモートロボット超音波、リモートロボット内視鏡検査などある。これらの取り組みは多専門医療部門と複数手法を要する難病治療事例の普及にも役立つ。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1629768391717770670&wfr=spider&for=pc

5Gスマート病院にてできること:

5Gとクラウド、AI技術を通じて、5Gスマート病院は階層的な診断と治療、遠隔医療、インターネット相談など複数の医療現場でのアプリケーションシナリオを実装し、患者さんにこれまでにない治療体験を提供する。

◆5G通信環境では、「院前救急」が可能になる。
救急車が到着した瞬間から患者の患者の身体的兆候データ、モニタリング画像、現場の環境と救急プロセスがリアルタイムで病院に送信されるようになる。救急医は、患者運送中にて患者カルテの把握が可能になり、より正確な救急方法や必要な検査項目の指示も出せるようになる。運送中においても即座に救急・遠隔診察できる。

◆5Gによる「超低遅延」
「4Gネットワ​​ークと比較すると、5Gネットワ​​ークでの情報画像データの最大伝送速度は10数倍に増加し、エンドツーエンドの遅延は1ミリ秒よりも低く、遅延はほぼ0である」と市第3病院院長がいう。

◆国内初のDSA-DISCIVERYIGS7ORユニットの導入
複合手術室に世界で7台目となる中国国内で最初のDSA-DISCIVERY IGS7 ORユニットを導入する。これにより、手術への介入も可能になり、現場医師とのタイアップもより図りやすくなる。

◆スマート医療関連機器も発達してきている
記者が「5G産業深センツアー」(2019/4/30)にて5G通信環境可の「スマート医療」デモンストレーションにて遠隔診察を実現可能になったことを確認した。5G通信対応のポータブル超音波検査機を利用して患者検査データをリアルタイムで病院端末に送信でき、医師が即座に診察できる。

主治医の指示を受けた現場医師が超音波プローブを患者の体にて移動しながらしている。主治医側は、携帯電話の画面を通じて患者の体のそれぞれの部分のリアルタイムB超音波情報を見ることができている。

http://www.sznews.com/news/content/2019-04/30/content_21710599.htm
ポータブル超音波検査機
http://www.sznews.com/news/content/2019-04/30/content_21710599.htm

深セン市「スマート医療」連携システムの構築

新聞網の報道によると、2019年6月深セン市福田区衛生健康局が福田区医療グループを組織し、中山大学付属第八病院をリーダーとして7つの病院と83の住宅区健康センターより構成される医療連携システムを構築できているという。

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126378787.htm
深セン晩報https://baijiahao.baidu.com/s?id=1629768391717770670&wfr=spider&for=pc
深セン新聞網(2019/4/2)https://www.sohu.com/a/397916970_100090362
深セン新聞網(2019/4/30)http://www.sznews.com/news/content/2019-04/30/content_21710599.htm
医療科技https://www.sznews.com/news/content/2020-05/23/content_23181459.htm

中国深セン市5Gユースケース①スマート空港

9月4日にアップした「世界最大の5G独立ネットワーク構築、全域カバーを実現した都市ー深セン!」の発表会にて深セン市の5Gユースケースが紹介された。本日から①スマート空港、②スマート医療、③スマート公共バス、④スマート変電所と⑤スマート港の5つについて整理していきたい。

深セン宝安国際空港は3ヶ月より前倒して敷地内の5G完全カバレッジを実現

深セン深宝安国際空港(以下「深セン空港」)は中国6番目に大きい空港。1991年に開港し、2011年に並行滑走路が完成し2013年に供用開始している。

2000年初め、深セン空港グループは、中国移動、中国聯通、中国電信と中国鉄塔(チャイナタワーコーポレーション)・華為技術有限公司会と協力して空港内にて5Gを全速力で推進し、深セン市党委員会と市政府の建設目標より3か月前に目標達成した。

5月17日、深セン宝安国際空港のフライトエリアに最後の屋外基地局が完成したことにより、深セン空港全域にて5G信号完全なカバレッジを実現した。これは、深センスマート空港の建設における画期的なイベントであり、深センスマート空港建設の最初のデモンストレーションにおけるもう1つの重要な成果とされている。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362
https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

深セン空港の5G試運転は2019年5月より起動、3つ(計画作成・実施シナリオ・設備整備)から着実に!

2019年5月、深セン空港の5G試運転が始まっていた。

第一:包括的な計画作成
深セン空港が5Gネットワークプロジェクト特別計画を発表し、空港内28平方キロメートルという敷地範囲内における5Gへの必要性を包括的に整理した。室内および屋外の信号範囲とコンピュータルーム、光ケーブル、配電などのサポートリソースを全面的に計画し、5Gプロジェクトの遂行のためのガイドラインを示した。

第二:実施シナリオの具現化
「旅客・貨物・都市・人間・知能」の5つの戦略に着目し、深セン空港5Gアプリケーション特別企画を発足した。同企画は今年7月にて正式に完成している。空港における「旅客・貨物・都市・人間・知能」における5つのタイプの5G事業を整理し、計78のアプリケーションシナリオ、将来の5Gアプリケーションの実施ルートまで計画し、深センスマート空港の建設と5Gサービスの深い融合を目指している。

▶5G試運転時から、5G特別計画と5G+Wi-Fiアプリケーションを推進し、多元化な旅客ニーズに向けた5Gアプリケーションシナリオの研究に積極的に取り組んだ。

▶2019年に深セン空港がターミナルにおける5Gモデル基地局を完成して国内航空に率先して5G技術を試用していた。空港状況の5G+4Kライブをアピールし、旅客の5G体験を増やしてきた。

▶深セン空港5G+4K高画質放送、5G + 北斗GPS技術などの5G AIロボット、5G +パトカーを含む4つの5Gアプリケーションプロジェクトは、最先端のテクノロジーにてユーザーに最高の体験を提供できる点が評価され、深セン市政府オンライン業務応用アプリケーションの主要プロジェクトに選出されている。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

第三:徹底的な設備整備
事前に空港内のコンピュータルームのリソース、電力供給と配電の条件、及び基地局場所について徹底的な調査を行った。即座にて5G建設プロジェクトを起動し、配電、多極、コンピュータルーム冷却、ホールディングポール、消防改造と新しい光ファイバーを整備した。

▶室外基地局41基。ターミナル、飛行エリア、貨物エリアと陸側公共交通区など空港内の全エリアの5Gカバレッジ実現。

以上のすべての業務において各方面と全面的な連携体制にて取り組んできた。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

深セン空港にて現在進行中のプロジェクト

注目すべき点は、深セン空港は現在進行中のアプリケーションのみでなく、同時並行中のその他の革新的なプロジェクトも多数あり、その主旨は空港管理・空港業務問題点の改善と効率化にあり、未来型空港の大規模な運用、大規模なセキュリティと大規模なサービスビジネスとも密接に関連している。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

▶華為と3つの通信事業者の最新技術と機器を採用
建物構造の特徴と空港ターミナルなどにおける人々の密度の特徴に合わせ、深セン空港は業界最新の華為(Huawei)の屋内デジタルシステムLampSiteソリューションを採用している。中国電信と中国聯通共用のHuaweiの200Mデュアルチャネル5G機器を初めて使用したことで、5Gインターネット体験を大幅に向上している。

4Gとの違い

既存の4Gネットワ​​ークと比較して、深セン空港の5Gネットワ​​ークの速度は15倍以上高速化した。ユーザーのダウンロード速度は最大で1.9Gbpsに達し、1GBのハイビジョン映画をダウンロードするのに10数秒しかかからないという。

さぁ〜、画面前にいるあなた、私も早く深セン空港に行って、早く5Gサーフィンを体験しましょう〜✈

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/18/c_1126382172.htm
捜狐網https://www.sohu.com/a/397916970_100090362
深セン新聞網https://www.sznews.com/news/content/2020-05/23/content_23181459.htm

世界最大の5G独立Network構築、全域カバーを実現した都市ー深セン!

8月17日、広東省深セン市にて「深センに火を灯す、5Gスマート都市」発表会が行われ、新華網(Xinhuawang)が特設欄を設置し、5G大きく取り上げられた。

2020年は深セン市が経済特区に指定されて40周年に当たる節目となる。
同発表会はグローバルな5Gスマートシティを構築し、5G及びAI産業、各産業のデジタルトランスフォーメーションを加速するために行われたとされている。同日、深セン市政府の指導の下、深セン市工業と情報化局が主催、深セン市5G産業協会・華為技術(Huawei)有限公司が共催で開幕した。

深センは世界最大の5G独立ネットワークを構築でき、深セン市全域の5Gカバーも実現した

発表会では、深セン市陳如桂市長は「深センは世界最大の5G独立ネットワークを構築でき、深セン市全域の5Gカバーも実現した」とした。独立ネットワークとは、いわゆるスタンドアローン(SA,Stand Alone)方式で既存の4G設備を利用することなく、5G用の基地局とコアネットワーク*によって構成される「正真正銘」の5G通信ネットワーク。人口1300万の深セン市では8月14日時点で計46,480局の基地局が完成され、深セン市は全国に率先して5G時代に入ったということになる。現在、中国多くの地域にて構築されている5Gネットワークはノンスタンドアローン(NSA,Non-StandAlone)方式であり、携帯電話から基地局までが5G用の高速通信になっているが、その先は既存の4Gネットワークに依存している。

中国初のスタンドアローン方式の5G独立ネットワークが2020年9月から商用サービス開始

中国工業情報化省直轄の情報通信研究機関である中国情報通信研究院の王志勤副院長が同発表会にて「中国初のスタンドアローン方式の5G独立ネットワークが2020年9月から商用サービスを開始する」と明らかにした。

深セン市の5G SAネットワークの試運転は今年5月11日より起動していた

今年5月11日、深セン情報通信研究院(中国情報通信研究院南方分院)が深セン移動社、深セン聯通社、深セン電信社及び華為、中興(ZTE)等企業の共同建設にて全国初となる「深セン第五世代移動通信試験通信網」を正式に開通していた。

その政策的指導方針:

その政策的指導方針となったのは、2018年6月深セン市発行『深セン推進第五世代移動通信(5G)産業発展行動計画(2018-2020年)』であり、同計画には「5G応用ニーズに向けた5G試験通信網の建設を計画する」とあった。

責任行政部門を明示した上での具体的な施行手順のガイドライン

具体的な施策となったのは、2019年9月19日、深セン市工業情報化局発『深圳市关于率先实现5G基础设施全覆盖及促进5G产业高质量发展的若干措施(深セン市全域5Gインフラカバレッジ率先実現及び5G産業ハイクオリティ発展に関する若干措置)』であり、ここでは6つの具体的な手順について指示している。
5つの责任行政部門:
市工業情報化局、市発展改革委員会、市規劃自然資源局、市場監督管理局、深セン電気供給局。

1.認識を統一し、チャンスを掴む。
  深セン市すべての力を統合して5G産業の高品質な開発を促進する。
2.全体的な計画を策定し、オープンして共有する。

世界をリードする高品質且つフルカバレッジの5G通信ネットワークを率先して構築する。5Gインフラストラクチャの供給レベルを引き上げる。 
2019年末までに15,000基の5G基地局を構築し、主要エリアで5Gネットワ​​ークの完全なカバレッジを達成するように努める。2020年8月末までに、合計45,000基の5G基地局を建設し、市全域の5Gネットワ​​ークの完全なカバレッジを達成し、5G基地局の密度を中国一No.1を目指す。

3.アプリケーションの牽引力にて重点的に突破する。
  5Gアプリケーションにてモデル都市づくりに取り組む。
4.イノベーション主導で協同して難関突破する。
  全力にて5G R&Dイノベーションハイランドの構築に努める。
5.業界リーダー主導でサプライチェーンを強化し、その不足を補う。
  世界トップクラスの5G産業クラスターの創出を加速する。
6.全体的な調整にて保障を強化する。
  5G産業発展の良好な生態圏の形成を促進する。

6つのうち、3番は今年7月にて既に4.5基を建設し、8月末という目標より1ヶ月前倒して実現した!

特にこのガイドラインは参考の価値が高いと思われる。

用語整理:
*コアネットワーク:
通信ネットワークについて「端末」~「基地局」~「制御装置」~「交換機」~「他の交換機」といった構成になるが、コアネットワークは通信ネットワークの中核的な部分で「制御装置」以降の構成をいう。
アクセスネットワーク:
「端末」〜「基地局」までの構成をいう。

—筆者感想—
当日発表となった5つの分野におけるユースケースが最も興味あるのですが、時間が足らず後日の宿題となりました。たとえ今すぐに中国に戻れるとしたら、北京でもなく実家のある大連でもなく、私は真っ先に深センに行きたいと思います。本当に行きたいです。自分の目で5gによる変化を見てみたいです!
——-

文章・画像は以下より抜粋引用:
http://www.xinhuanet.com/tech/zt/ldmb/ldmb10.htm?share_device_token=6b54a547f8d0e305fb6d92d6338ad27a&share_time=1597806909514&share_type=6
http://www.caict.ac.cn/email/hydt/202005/t20200512_281173.html
http://www.sz.gov.cn/szzt2010/wgkzl/jcgk/jchgk/content/post_1313931.html
http://www.cac.gov.cn/2020-09/04/c_1600778135920650.htm

5G基地局電力消耗が大きく、中国12の省にて電力網最高負荷が30回再高記録を更新!

8月24日、中国国家電力網・国家電網信通産業グループ(STATE GRID INFO &TELECOM GGROUP)サイトの重要ニュース欄にて「12の省クラス電力網最高負荷が30回再高記録を更新!」と題する記事が目に入った。

今年8月19日までデータによると、
江蘇省電力網の最高負荷は5倍になり、1億を突破した。
浙江省電力網の最高負荷も6倍の新しい歴史的記録を更新し、天津市、山東省、上海市、安徽省、湖北省、江西省、陝西省、四川省、重慶市を含む12の地方電力網の負荷は過去最高負荷を30回も記録した。
全国電力調達量が10.75億キロワットキロワット、昨年のピーク時よりも2,400万キロワット多かった。

“新基建”和“数字经济”相关产业发展如火如荼,新动能、新模式逆势而上、表现抢眼。推动数字经济发展,推进5G基站规划建设,加快区块链技术应用和产业发展、数据中心规划发展等政策,有效刺激了经济复苏,也成为了拉动用电增长的新动能。

その原因についてこう述べている。
「新基建」と「デジタルエコノミー」関連産業が本格化し、人目を引く新しい勢いと新しいモデルがトレンドとなっている。デジタル・エコノミーの発展、5G基地局の建設計画、ブロックチェーン技術と産業開発の適用、データセンター計画と開発といった一連矢継ぎ早に登場した政策が経済回復を効果的刺激し、電力消費の増加の新たな原動力にもつながっている。」

12の省クラス電力網最高負荷再高記録更新の背後:5G基地局の凄まじい成長ぶり

これについてSina財経ニュースは「12の省クラス電力網最高負荷再高記録更新の背後:5G基地局の凄まじい成長ぶり」と報道した。

今夏は5G建設ダッシュのピークにあたる

としている。
ここ数ヶ月、5G基地局が週1.5万のペースで増え続け、最低一ヶ月約5万基を完成し、5G基地局による新たな電力消耗が無視できない。

一方、

5G基地局「高い電力消耗」難題は解決方案有り

ともされ、20%の基地局がサードパーティ電力供給になっている部分を電力会社による直接電力供給への切替で利用コスト低減策と、ZTE(中興通信)が大連市にて5G最新エコ技術の試運転に成功し、電力消耗を顕著に低減でき、既に量産段階に達していることも紹介している。

文章・画像は以下より抜粋引用:
http://www.chinapower.com.cn/xw/zyxw/20200824/28391.html
https://finance.sina.com.cn/roll/2020-08-21/doc-iivhuipn9970633.shtml

KDDI&中国電信等が国際XRコンテンツ制作通信事業者アライアンスを共同設立!

9月1日昨日、中国電信社公式サイトにて「中国電信、韓国LG Uplus、日本KDDI、カナダBell、Qualcomm、Felix &Paul、Atlas V 等の通信事業者・業界コンテンツ制作会社とGlobal XR Content Telco Alliance ・国際XRコンテンツ制作通信事業者アライアンスを設立した」と発表した。

日中連携?早速確認したところ、KDDI社もリリースしていた!
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アライアンスの主旨は「高品質で魅力的なオリジナルXRコンテンツの制作支援を目的に」となっている。

特に気になったのは、中国電信社の発表では「本次与全球顶级的5G运营商、产业合作伙伴和顶级内容制作室共同发起全球XR内容电信联盟,是深化产业合作、扩大运营商在5G内容领域影响力的重要一步。中国电信将通过持续的合作,激发XR领域的技术、应用和模式创新,推动全球XR产业的高质量发展。」となっている。
つまり、「今回世界トップクラス5G通信事業者、産業界及びトップレベルのコンテンツ制作会社共同での国際XRコンテンツ制作通信事業者アライアンスの設立は、産業連携の強化、通信事業者が5Gコンテンツ領域での影響力の拡大につなげる重要な一歩である。中国電信は持続的な協同を通じて、XR領域の技術・応用とイノベーションを刺激し、世界XR産業の高品質な発展を促進します。」とある。

高品質なコンテンツ提供できていれば、通信事業者の影響力も強まることにつながるが、中国電信社のポイントは、KDDIが目的としている「高品質なコンテンツ制作支援」ではなく、あくまでも「産業連携の強化と通信事業者の影響力の拡大」にある。この中国電信社による影響力の主張から今の中国電気通信の市場構造を垣間見ることができよう。ある意味、これが中国通信事業者としての本音なのかもしれない。どこまで利益最優先しているのか、ギャップの大きさに言葉を失う。

文章・画像は以下より引用:
http://www.chinatelecom.com.cn/news/02/202009/t20200902_56345.html
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/09/01/4647.html

5G料金プラン利用者と5G利用者の違い

今日は本サイトでもよく登場する「5G料金プラン利用者」と「5G利用者」の違いを整理しておきたい。

8月27日「中国5G料金プラン利用者が1.3億突破」と題した内容にて「7月末の中国5G料金プラン利用者数が発表された。中国移動は8405.7万、中国電信は4927万として2社合計で1.3億を突破している。」と記した。

「5G料金プラン利用者」とは5G料金プランを選んで利用しているユーザーのこと、必ずしも5Gの携帯電話を使っているとは限らない。

対して「5G利用者」とは実際5G携帯電話を利用しているユーザー。7月末の中国5G利用者数は8800万強になっていると中国工業情報化部直轄情報通信研究院が発表している。

「5G料金プラン利用者」を現時点で「5G利用者」として公式に認めているのは中国移動と中国電信2社のみ、中国聯通は認めていない!

ここまでいうと、何故これまでの「5G利用者」の公表データに中国聯通が0になっているままなのかお分かりいただけるかと思うのである。

文章が以下より抜粋引用:
https://tech.sina.com.cn/roll/2020-08-18/doc-iivhvpwy1758520.shtml