個人視点で見る中国のIoT利用

そんな年度末最後の日、中国 IoTの利用調査結果を紹介したい。
CAICTが2020年12月に発表した IoT白書に興味深いデータセットを見つけた。

この調査によると、2020年8月時点で IoT利用していると答える中で一番多いのがスマートホーム、いわゆるスマート家電関連が43%、その次がその他の21%。続いてIoVと公共サービス、スマート農業の順になっている。
IoVが公共サービスよりも使っているようには思わなかったが、意外と普及してきている可能性がある。
その他が21%もある点も興味深い。使っているものが項目として挙げられていない可能性が高い。
一日も早く現場を見てみたい気持ちが膨らむばかりだ。

快適なホームLife がコンシューマ向けサービスの中でいかにも大切なようだ。個人としても非常に納得のいくデータ。

文章・画像の引用先:
http://www.caict.ac.cn/kxyj/qwfb/bps/202012/P020201215379753410419.pdf

光ファイバーと5Gの『「ダブルギガビット」ネットワーク協同発展行動計画(2021-2023年)』

https://www.miit.gov.cn/zwgk/zcwj/wjfb/txy/art/2021/art_f3884870dc8140919a1eb2924749183a.html

3月25日、工業情報化部より『「ダブルギガビット」協同発展行動計画(2021-2023年)』が公布された。ダブルとは、光ファイバー網と5G通信網の二つを指し、目標は3年間をかけて、都市部と一部の郷鎮や行政村まで通信ネットワークを構築し、固定通信と移動通信のいずれも「ギガビット」レベルの通信能力を向上させることにあるとしている。

主要目標:

主要目標として、2021年末と2023年末の二つが設定されている。

2021年末:
ギガビット光ファイバーを2億世帯カバーし、ギガビットブロードバンド利用者が1000万以上。
5Gネットワークを県レベルの地域までカバーし、一部の重点郷鎮もカバー、60万以上の5G基地局を新設する。
20以上の「ギガビット都市」を実現。

2023年末:
ギガビット光ファイバーを4億世帯カバーし、ギガビットブロードバンド利用者が5000万以上。
5Gネットワークを郷鎮レベルの地域までカバーし、一部の重点行政村もカバー。
100の「ギガビット都市」を実現。100のギガビットバーチャルネットワークモデルプロジェクトを推進する。

文章・画像:
https://www.miit.gov.cn/zwgk/zcwj/wjfb/txy/art/2021/art_f3884870dc8140919a1eb2924749183a.html

2020-2021年度IoT主要技術とプラットフォーム類、イノベーションと応用類のモデルプロジェクト公開

3月24日、工業情報化部が『2020-2021年度IoT主要技術とプラットフォーム類、イノベーションと応用類のモデルプロジェクト名簿公開通知』を公布した。

名簿公開通知では、IoT主要技術とプラットフォーム類、イノベーションと応用類の112企業を公開し、各所轄部門よりのサポートを求めると同時に、IoTと実体経済の統合を深め、IoT産業のエコロジーと新しい応用展開の形成を推進すると記してある。

通知内容:

『情報通信産業発展計画IoT分冊(2016-2020)』(工信部計[2021] 424号)を実施するため、各地区関連部門推薦と総合判定、Web公開などを経て、『2020-2021年度IoT主要技術とプラットフォーム類、イノベーションと応用類のモデルプロジェクト名簿』を公開する。

通知では、各地工業情報化主管部門及び推薦期間はIoT新型インフラ計画と実際の状況に応じ、技術革新、アプリケーションの実装、及び政府サービス等において、入選しているモデルプロジェクトのサポートを強化する。モデルPJの実施とフォローアップ評価、川上と川下にあたる企業間の供給・成果促進や適用を促進する。IoTと実体経済の統合を深め、IoT産業のエコロジーと新しい応用展開の形成を推進するとある。

政策的背景

『情報通信産業発展計画IoT分冊(2016-2020)』とは、第13次5カ年計画に基づいたIoT分野での発展計画であり、『情報通信産業開発計画(2016-2020)』と同時に2017年1月に発表されていた。

文章・画像の引用先:
https://www.miit.gov.cn/jgsj/kjs/jscx/gjsfz/art/2021/art_75933ca3ce98455da2da64cb99262348.html
https://www.miit.gov.cn/jgsj/txs/gzdt/art/2020/art_f5691835494946fb9e9d03988d0f8e10.html

天津市政府が中国聯通社と「シームレスな5G都市」協議締結!

http://www.tjzzb.gov.cn/xxsb/202103/t20210319_81827.html

3月17日、天津市政府と中国聯通社が『第十四次5カ年計画期京津冀協同発展「全5G都市(シームレスな5G都市)」戦略的協力協議』を締結した。「京津冀」とは、北京市、天津市と河北省の略称で、京津冀地区は中国の「首都経済圏」に相当する。

第十四次5カ年計画期目標:新型インフラへ110億元(約1841億円)投資予定

今後、天津市政府と中国聯通社は「全5G都市」を目標として、デジタル施設とデジタルプラットフォームの構築を加速し、新型インフラとスマートシティ、スマート製造、スマート医療などの発展を重点的に推進する。新型インフラには110億元(約1760億円)投資予定、累計2.4万局の5G基地局を構築すると発表されている。

具体的な内容:

具体的には、5G新型インフラ、工業インターネット、データセンターとスマートシティなどの重点分野において協力し構築していく方針であり、デジタル経済、デジタル政府、デジタルサービスを強化し、構築することによって天津市の高度な発展の実現を促進するとある。

天津市への中国聯通社これまでの貢献

中国聯通社が天津市の新型インフラとスマートシティの構築において積極的な姿勢を見せてきた。2020年、天津市にて5G基地局7176局を開通し、都市部と重点郷鎮の連続的なカバレッジを実現してきた。天津市クラウド、デジタル政府ネットワークなどにて天津市スマートシティの構築に貢献してきた。5Gスマート港湾や5GV2Xなどの応用にて天津市のデジタル化、ネットワーク化、スマート化を推進してきた。天津聯通(天津市の中国聯通地方会社)がギガビット5G、ギガビットブロードバンド、ギガビットWi-Fiサービスを提供している。

文章・画像の引用先:
http://www.tjzzb.gov.cn/xxsb/202103/t20210319_81827.html

700MHz帯域端末エコシステム結成と共同建設計画

3月10日、中国広電と中国移動の「700MHz帯域端末エコシステム共同建設計画」が発表された。

オンライン発表会では、中国移動が2021年の携帯電話端末戦略について、携帯電話、端末、産業用端末より700MHz帯域の5Gサービスの推進を発表した。2021年3月1日より、4000元以上の新しい端末が必ず700MHz帯域対応とし、2021年10月以降は全ての新しい端末が700MHz帯域対応するようにと広く呼びかけた。

文章・画像の引用:
https://mp.weixin.qq.com/s/65ANdl6dtxwMnMp5UNlXcw
https://mp.weixin.qq.com/s/iYdFsnLAhpcp9084h0dbpw


「2021両会」工業情報化部長インタビューその②「5G+工業Internet」で応用シーン創出、中国デジタル経済の消費をさらに拡大!

昨日アップした「両会」の工業情報化部肖亜慶部長「部長インタビュー」の続編、肖亜慶部長が回答した3と4番の内容となる。

3、封面新聞華西都市報記者の質問:


工業インターネットは、片方に伝統工業、片方に新しいテクノロジーと繋がっており、製造業デジタルフォーメーションの有力な存在となってきた。我が国の工業インターネットの現状をどう評価するのか?次の動きとしてどんなものが考えられるか?

肖亜慶部長過去3年間を振り返ると、工業インターネットが非常に良いスタートを切ている。お話にあるように、工業インターネットは一つずつ単体であった設備、工程、企業をつなげ、人間、機械、材料、方法などの各段階の各部分、そして企業が生産、技術、人力などの資源、市場、販売、設計に至るまで全ての部分と要素を一つまとまったものに結びつけることができた。企業の角度から見てその役割が極めて大きい。多くの企業の結び合わせが融合となり、資源の結集まで意味する。よって、工業インターネットの発展においては、
1)基盤を強化する。
2)融合について工夫を重ねる。
3)工業インターネットの進展では、発展と安全のバランスが大事。
4)「5G+工業インターネット」の進展によって、より多くの応用シーンが生まれる。

4、工人日報記者の質問:

コロナ対策が中国のデジタル化についてどんなきっかけとなったか?デジタル経済に新たな利点を生み出すにはどのような施策があるのか?

肖亜慶部長周知の通り、中国は昨年のコロナ対策にて大きな戦略的成果を収めた。この成果の中から、私たちはデジタル経済の後押しが確認できた。今、皆さんが手にしているノートパソコンや通信機器を活用することによって、COVID-19がパンデミックする状態においても教育と医療の継続的な利用が可能であった。同時に、家庭用生活物資の配布や住民のニーズへの対応の多くもオンラインに頼っていた。医療や対策予防等においてもそうであった。
危機から新しいチャンスも生まれた。デジタル経済が大きく進展した。特に工業経済がデジタル経済へとシフトしつつある状況にある。次のポイントとして4つある。
1)デジタル経済の基盤をさらに強化する。
2)5Gの応用アプリケーションをより広く拡張させる。
3)デジタル経済における消費をさらに拡大させる。
4)デジタル経済の促進と共に各産業領域との融合も加速させる。
私は 中国デジタル経済の進展が大変堅調であり、将来性が非常に大きいと思う。ありがとうございました!

文章・画像の引用先:
http://www.npc.gov.cn/rdxwzx/xwzx2021/xwzx2021.shtml
https://mp.weixin.qq.com/s/Xgk-Xj90oCR3zEKPVadvlw
http://www.xinhuanet.com/politics/2021lh/2021-03/08/c_1127185326_7.htm
http://www.xinhuanet.com/politics/2021lh/zb/bztd/bztd2/index.htm

企業運営コスト削減、中小企業ブロードバンドや専用ネットワークの料金を平均10%低減

3月5日、中国の第13期全人民代第4回会議が開幕し、今年の経済成長目標を6%以上とする方針が李克強首相による「政府活動報告」で示された。

「政府活動報告」では「5Gネットワークとギガビット光ファイバーの建設を加速し、応用シーンを増やす」と記された。中小企業への支援やイノベーション、サプライチェーンなども多く言及している。企業の運営コスト削減において、「エネルギー、交通、電信などの基礎的業界の改革を行い、効率向上と費用低減を促進する」とあり、中小企業ブロードバンドや専用ネットワークの料金を平均10%低減するとしている。

昨年の全人代では5Gや新型インフラが大きく取り上げられ、週1万局のペースで5G基地局が増え続け、後半では週あたり1.5万まで拡大していた。2021年3月24日のMWC Shanghaiでの工業情報化部長劉烈宏の発言では、5G SA通信ネットワークが全国都市(市レベル地域)までカバーできたと発表されている。中国の行政区分では、省・市・県・村であり、その先の県・村が農村部になるので、今年の全人代では農村部でのデジタル化の推進が注目されている。

文章・画像の引用:
http://www.npc.gov.cn/npc/dbdh13j4c/13j4c.shtml

700MHz周波数資源の共有と共同構築提案<詳細>

昨日アップした中国聯通製品センター総経理、全国政協委員でもある張曇勇氏による「両会」(第13期全国人民代表大会の第4回会議&政協第13期全国委員会第4回会議)への3つの提案のうちの、「700MHzの周波数資源共有と共同構築」案が特に大きな議論を呼んでいるので、ここに詳しく整理した。

張曇勇氏の提案
3)5Gローバンド700MHz周波数資源の共有とネットワーク網共同構築。
提案内容:農村地域にて700MHz帯域の全国規模の5G共有ネットワークを構築し、4大通信事業者間でアクセスネットワークを共有することを提案する。

2020年4月1日に工業情報化部(MII)がラジオテレビに利用してきた「702-798MHz帯域の移動通信システムへの利用計画調整」を発行した。2021年1月4日、国務院から「農村の活性化の包括的促進を目指した農業農村現代化の進展への意見」が公布されている。同月、1月26日に中国広電と中国移動が共同建設について合意した。

通信事業者の運営観点から考えると、ラジオやケーブルテレビなどのラテメディア系の中国広電が5G発展のチャンス窓口がなく、中国移動は上記の合意によって、700MHz+2.6GHz+4.9GHz帯域を確保することになった。

通信業全体の発展から考えると、中国電信と中国聯通も農村地区で700MHz帯域の共有を実現できれば、重複建設を避けられ、全体の健全な発展可能性が広がる。しかし、4社間の相互通信によるコストが増加する見込みがある。通信会社間の決算方法やその仕組みづくりが必要となる。農村地域でのデータ利用量が都市部より低い現状でどのように工夫して運営面でのイノベーションを実現するかも課題になる。

「農村の活性化の包括的促進を目指した農業農村現代化の進展への意見」では、「項目4、農村建設を大いに進める。デジタル農村を実行する。農村ギガビット光ファイバーネットワーク、5G、Iotを都市部と共に計画し、建設する。電信ユニバーサルサービスを完全にし、農村や辺境地域の情報通信インフラの構築を支持する。農業や農村地域向けのリモートセンシング衛星などの施設の建設をスピードアップする。」とある。

700MHzは強力な通過力と広いカバレッジを持つ特性を「デジタルボーナス」とまで呼ばれている。分析によると、農村地域で同じカバレッジを確保するには、700MHzにて必要とされる基地局数が2.6GHzの1/5、3.5GHzの1/6、4.9GHzの1/9に2まで低減できる。現有4G同規模のカバレッジを実現可能な5Gネットワークを構築する場合、700MHz帯域が3.5GHz帯域より約1900億元の無線設備・光ファイバー、伝送系統などの設備投資、年間電気利用料金とチャーター費用が約200億元を節約可能になる。700MHz帯域が農村や辺境地域の5Gユニバーサルサービスにとって必要不可欠な存在であり、貧困脱却やデジタルデバイドの解消にも重要な意義を持つ。

有効な競争環境から考えても、張曇勇氏が中国広電と中国移動が700MHz帯域での共同構築を通じて2社の通信サービス能力の向上に繋がるが、資源の不均衡な配分による農村地域における5Gユニバーサルサービス提供における通信事業者間のアンバランスを引き起こしてしまう。業界の不均衡に繋がる。もう2社のサービスエリアにいる、特に辺境地域にいる利用者にとって公平さに欠ける。

大変素晴らしいご見解、今時、特に5G大規模なインフラ整備においてこのような公平的な考え方が今の中国にとって大変重要な意味を持つと、私も大賛成!╰(*´︶`*)╯♡

文章・画像の引用先:
http://www.gov.cn/xinwen/2021-02/21/content_5588098.htm
https://mbd.baidu.com/newspage/data/landingsuper?context=%7B%22nid%22%3A%22news_9460880545647774951%22%7D&n_type=1&p_from=3
https://mp.weixin.qq.com/s/REpiV1iyH7dVULCWsfKQlg

700MHz周波数資源の共有と共同構築提案

第13期全国人民代表大会の第4回会議と政協第13期全国委員会第4回会議がそれぞれ2021年3月5日と3月4日に北京で開かれる予定。両会の時期、ICT業界に関連する提案が注目されている。

中国聯通製品センターの張曇勇総経理が両会への提案を公開している。同氏は全国政協委員でもあり、これまで建設的で前向きな提案を数多くしてきた。
今年は3つの提案をする予定だという。
1)高速鉄道での5G応用
2)データ権利確認
3)5Gローバンド700MHz周波数資源の共有とネットワーク網共同構築。

文章・画像の引用先:
https://mbd.baidu.com/newspage/data/landingsuper?context=%7B%22nid%22%3A%22news_9460880545647774951%22%7D&n_type=1&p_from=3
https://mp.weixin.qq.com/s/7AtimG3bMg-nGqWzrCTphA
https://mp.weixin.qq.com/s/REpiV1iyH7dVULCWsfKQlg

電気通信業の外資導入を促す!

3月1日の国務院新聞弁公室の記者会見で工業情報化部部長肖亜慶氏が中国の工業情報化の新しい発展体勢について質問に答えた。

質問:「第14次5カ年計画」では、国内大循環を主体とした国内国際双循環の相互促進に向けた新しい発展体勢の構築を発表して以来、広く注目を受けているが、中国工業と情報化が新しい発展の中での位置づけと役割は何でしょうか?どんな対策があるでしょう?ありがとうございました。

肖亜慶部長:工業情報分野の対外開放をさらに促進し、一般製造業を完全に開放し、電気通信分野への外国投資の制限を徐々に開放して、より多くの外国投資とハイエンド製造プロジェクトを誘致する必要があるとした。

具体的には、
1、科学技術の「自主自強」、サプライチェーンのイノベーション能力を向上させる。
2、健全なサプライチェーンを構築し、産業的基礎のレベルアップとサプライチェーンの現代化推進を徹底する。
3、内需拡大を図り、国民経済の循環をよくし、製造業の供給体系のクオリティをアップさせる。
4、国内国際双循環の相互促進を促し、工業と情報化の対外開放を促進する。一般製造業を全面的に開放し、電気通信分野への外国投資の制限を徐々に開放して、より多くの外国投資とハイエンド製造プロジェクトを誘致する必要がある。

サプライチェーン、内需拡大、国民経済と電気通信分野の外国投資の制限解除がキーワードになっているようだ。

文章・画像の引用先:
http://www.scio.gov.cn/xwfbh/xwbfbh/wqfbh/44687/44992/index.htm
https://mp.weixin.qq.com/s/eNzYlEOK3p2z0KFjucNPMQ
https://mp.weixin.qq.com/s/U7xGS3qoFag7LRV6ZTV-dA
https://mp.weixin.qq.com/s/Tw6CWmGjGB8Chhx68XMKIg
http://www.scio.gov.cn/xwfbh/xwbfbh/wqfbh/44687/44992/index.htm
https://mp.weixin.qq.com/s/sNPAYW2lzPXKqbBjy1qwog