6月末で5G利用者が1億超え、5G端末による接続数は6600万

7月20日の三大通信事業者の6月運営データによると、5G利用者数について中国移動は7019万、中国電信は3784万、中国聯通は依然として未公開だが、この2社のみで1億を突破している。

7月23日、国務院による新聞記者会見が行われ、2020年度上半期工業通信業発展状況について報告した。工業情報化部情報通信発展司司長聞庫によると、近頃週当たりの平均開通した基地局数が1.5万基になり、6月末全国で40万基構築済。これまで許可済みの5G端末が計197モデル、本年度出荷した5G端末器が8623万部、5G端末による接続数が6600万部。

文章・画像は以下より引用:
http://www.cww.net.cn/article?from=timeline&id=473221&isappinstalled=0
http://www.gov.cn/xinwen/2019-07/23/content_5413373.htm
http://www.gov.cn/xinwen/2020-07/23/content_5529422.htm

広東省5G基地局設置計画発表とLocal5G帯域

COVID-19前後の人口流動などに代表されるビッグデータが開示されるようになってから、中国では、各種情報の開示が驚くほど速いスピードで進んでいる。5Gによるニューインフラストラクチャ「新基建」においてもその傾向が見られてきた。

5G基地局設置関連情報の公開

7月8日、「広東省5G基地局とデータセンター全体設置計画(2021-2025 年)」(以下「計画」)が公布された。

「計画」では、広東省密集市街地、一般市街地、県地域、郷鎮・郊外、農村地域までの5G基地局についてエリア/周波数別の間隔・密度、設置数(地級市までの2019年末、2020年設置計画数・実際設置数)、2021−2022年、2023ー2025年までの設置計画まで公開している。各通信事業者の周波数帯域について700MHzも含めて発表しているが、ローカル5G用帯域については具体的にせず、「広東省のLocal5G帯域は、全国統一導入計画に従って実施し、広東省にて最初の実証実験が行われるように努力する」としている。データセンターの設置についても具体的な数字を列記している。

広東省のLocal5G動向

広東省のLocal5G帯域について、実は今年3月27日、広東省が「疫病影響対策として情報サービスと消費への促進に関するいくつかの政策措置」(以下「措置」)を関連9行政部門連名で発表していた。

「措置」では、情報インフラストラクチャの構築を加速し、個人および家庭の情報サービスと消費を促進し、情報サービスと消費者への供給の強化が提案されている。潜在的な消費ホットスポットを開拓し、情報サービスと消費を拡大する。「デジタル広東」と「強力なネットワークを強みとする広東」を建設すると呼びかけている。

「措置」の中で疫病による経済的な影響を懸念し、デジタルトランスフォーメーションを目指したLocal5Gについてこのように触れている。
◆ブロードバンドローカル5Gの周波数資源を確保する必要がある。
◆1.8GHz帯域における交通、空港、港、AI工場などのローカル5Gの応用を継続的推し進める。
◆1.4GHz帯域について国に申請し、省全体での政府業務のオンライン利用を推進する。
◆5.9-7.1GHz帯域を申請し、政府業務、公安、危機管理、電力網、高速道路、主要機器製造、サイエンスパーク等の主要分野でのLocal5Gの応用の実証実験を行う。
◆年内5G 独立ネットワークを包括的に建設し、100以上のLocal5Gアプリケーションのデモシナリオを構築する。政府関連業務、公安、緊急管理、送電網、高速道路、船舶、鉄鋼、石油化学製品、石油、ガスパイプ、サイエンスパーク等の主要産業及び分野にいて、10以上のLocal5Gネットワークをスポット的に建設し、地級市政府による5G基地局の建設促進政策を支援する

文章・画像は以下より引用:
广东:5G专网频率按照国家统一部署规划实施,争取广东省先行先试https://new.qq.com/rain/a/20200708A0UAQ400
广东省 5G 基站和数据中心总体布局规划 (2021-2025 年)
http://gdii.gd.gov.cn/attachment/0/395/395643/3026281.pdf
《关于应对疫情影响进一步促进信息服务和消费的若干政策措施》
http://gdii.gd.gov.cn/attachment/0/389/389825/2952978.pdf

中国5Gミリ波テスト・周波数政策

5Gミリ波通信テストが順調

中国の5Gミリ波通信テストは段階的に順調に進んでいる。
IMT-2020(5G)推進チームは、5Gミリ波通信のテスト計画を3つのフェーズに分け、それぞれ重点的に検証を行うとしている。
1、2019年8月〜12月にかけて5Gミリ波主要な技術とシステム特性。
2、2020年にはミリ波基地局と端末の機能、性能と相互操作、高周波数と低周波数間の協調ネットワーク。
3、2020〜2021年は典型的な利用場面での応用。

2019年11月1日、IMT-2020(5G)推進チームのテスト組長である徐氏さんはICT中国・2019年5Gシンポジウムにてこのように発表した(写真は2018年度同シンポジウムより)。
「5Gミリ波技術テストの主要な技術テストは、主に3つの側面があり、屋内機能テスト、フィールドパフォーマンステスト、基地局無線周波数OTAテストがある。現在3つとも順調に完了している。第1フェーズの進捗状況は当初の計画を上回っている。2019年10月末に3つのベンダーHuawei、ZTE、Nokia Bellはすべて、今年期待されるテスト作業を完了し、ミリ波の主要技術テストの主な機能、設計、およびフィールドパフォーマンスを完了した。ミリ波無線周波数の実験も実施した。」

一方、中国移動社研究員主席専門家劉光毅氏は、2019年度5Gミリ波技術革新シンポジウムにて中国移動が5Gミリ波の主要技術の検証を完了した。2019年から2020年までは5Gミリ波システムの性能と標準ソリューションを検証し、2022年から5Gミリ波の商用化を計画していると発表した。

5Gミリ波周波数政策のタイムライン

■2016年12月:中国最初の5G周波数白書が発表。
 同白書にて以下の帯域を5G用として推薦されている。
 (1)6GHz以下:3.3〜3.6GHz、4.4〜4.5GHz、4.8〜4.99GHz
 (2)6GHzより高い周波数帯域:24.25GHz〜86GHzの周波数帯域。
    特に24.25-27.5GHz(初期5Gの「パイオニア」帯域として使用)、
    31.8-33.4GHz、37-43.5GHz。


■2017年6月8日:
 工業情報化部によるミリ波周波数利用意見募集
■2017年7月14日: 

 24.75-27.5GHz と 37-42.5GHz 周波数帯域を5G用として決定。

■2019年2月19日:
「2019年全国無線電管理工作要点(業務要点)」にて「5Gのミリは周波数の使用計画を適時に公布し、5Gミリ波産業の発展を導く」と規定。

■ 2020年3月24日:
工業情報部(工業情報部[2020]第49号)発行「5Gの発展加速の推進に関する通知」にてミリ波について「5Gのミリ波周波数の使用計画を適時に公布し… … ミリ波設備と性能テストを組織し、5Gミリ波技術の商用に備える」と3回言及している。


http://www.miit.gov.cn/n1146290/n1146402/n1146440/c7832353/content.html

文章・画像は以下より引用:
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1671645875762695674&wfr=spider&for=pc
https://xueqiu.com/7539058388/135075293
https://www.sohu.com/a/158213346_99953446
https://mp.weixin.qq.com/s/t7qviNyNZpOEpLxVKZ7KFw
https://dy.163.com/article/DSQJKFVV0511CSHM.html
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057735/n3057743/c6648207/content.html(2020/7/14)
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057735/n3057743/c6648207/content.html(2020/7/14)

華為が5Gミリ波通信のライブデモしていた!

ファーウェイ2019開発大会(2019年8月14日)にて、屏風型携帯電話華為 Mate Xを使用したミリ波技術のアプリケーションを発表していた。
Mate Xでミリ波通信にて基地局と通信し、4K高解像度ビデオをオンラインで再生した。

同大会にてミリ波通信によるジェスチャー認識技術、呼吸、心拍監視のアプリケーションもデモした。ジェスチャーの遠隔操作によって開始と停止、音楽の切り替えボリュームの調整も実現した。

しかし、この開発大会よりも以前に華為は5Gミリ波対応CPEを含むエンドツーエンドの5Gネットワーク上で複合現実を発表していた。


2017年11月9日〜11日に華為は東京・お台場の日本科学未来館で「見えてきた、“ちょっと先”の未来」(主催:ドコモ、共催:日本科学未来館)にて株式会社NTTドコモと5Gミリ波対応ユーザー宅内機器(Customer Premises Equipment、CPE)を用いた共同デモを日本で初めて披露していた。

このデモで、5Gミリ波対応CPEを含むエンドツーエンドの5Gネットワーク上で複合現実によるビデオ通話を実現し、日本において商用展開可能な5Gミリ波対応CPEを初めて使用することに成功したという。

文章・画像は以下より引用:
https://consumer.huawei.com/cn/press/news/2019/huawei-5g-mmwave/
https://www.sohu.com/a/333773714_178777
https://www.huawei.com/jp/news/jp/2017/HWJP20171109h

中国は5Gミリ波チップの開発に成功、2022年まで商用を目指す

中国は6月15日に5Gミリ波チップの開発に成功したと発表している。
中国工程院院士劉雲潔によると、南京市にあるネットワーク通信・安全紫金山実験室(Purple Mountain Laoratories)がCMOSミリ波完全統合4チャネルフェーズドアレイチップを開発し、チップのパッケージングとテストを完了した。

これにより、チャネルあたりのコストは1000元(約1.5万)から20元(約300円)に削減できるようになる。1024チャネルのアンテナ素子が組み込まれたミリ波大規模アクティブアンテナアレイもパッケージ化した。チップとアンテナアレイは、2022年までに5Gシステムにて商用を目指している。

実は、この開発について1月19日にて開発成果発表会並びに産業化協力合意式を行っていたことが南京市の地元メディア「現代快報」にて取り上げられていた。報道によると、同実験室は国家 863計画の5G研究開発以外、国家重大科学技術プロジェクトなど多くの技術開発を受託している。

中国工程院院院士、実験室主任劉韻潔によると、この技術開発による画期的な進歩は中国5Gの優位性を5〜10年間保つための重要な基盤を築いた。

筆者注:
初めて目にする実験室であり、組織図について確認すると、このように記されている。「研究所は公的機関の法人組織であり、行政レベルはなく、公的機関の関連規定に従って党の草の根組織を設立し、評議会のリーダーシップの下で理事責任システムを実施しています。」
もっと調べると、どうやら通信ネットワークに関する先駆的技術について専門的に研究を進み、関連技術分野にてポスドクを広範に確保している超技術系シンクタンク的存在。
更に調べると、中国総合的な科学技術センターとして2018年に設立され、今年6月20日午後、新築ビルでの開業式が行われた。
開業式には、江蘇省委員会常務委員・南京市委員会書記・紫金山実験室理事会理事長である張敬華が出席して演説した。南京市市長・実験室理事会副理事長韓立明、中国工程院院院士、実験室主任劉韻潔、中国工程院院院士、実験室副主任邬江興、実験室副主任尤肖虎、馮記春が式に出席したという。

今後一層目が離せないLabであることは間違いなさそう。

文章・画像は以下より引用:
ネットワーク通信・安全紫金山実験室
https://www.pmlabs.com.cn/plus/list.php?tid=5
https://www.pmlabs.com.cn/plus/view.php?aid=851
https://new.qq.com/omn/20200120/20200120A048JY00.html

「中国5G産業政策とデジタル社会の持続的発展」について学会発表致しました!

2020年7月4日本日、2020年度情報通信学会大会にて「中国5G産業政策とデジタル社会の持続的発展」を発表いたしました。
資料はこちらに置いておきました。
日本ではなかなか出てこない中国5G情報の共有ができれば幸いです。

雲南省第一号の田舎5G基地局が登場

 雲南省デチン・チベット自治州徳欽県燕門郷は、標高が最も高く、開発も遅れ、雲南省で最も貧困レベルが高い貧困県であり、全国の「3つの地区と3つの州」範囲で最も貧困な県でもある。

燕門郷は県政府所在地より55キロも離れ、中国電信雲南公司が貧困脱出を協力する貧困緩和の相手地域にあたる。中国電信による長年の強力なサポートを受けて、燕門郷は完全な農村光ネットワークとモバイルネットワークを構築できた。

2018年、徳欽県がは貧困脱出開始し、燕門郷も貧困撲滅を推し進めた。
2019年、徳欽県燕門郷5つの貧困村、367世代1494人が全員貧困撲滅できた。農民一人当たりの年純収入は11910.7元。

2020年、中国電信雲南有限公司は引き続き支援を増やし、教育と貧困の緩和、村の外観の改善、農業開発支援などの貧困緩和プロジェクトを実施し続けている。今回、同社が燕門郷茨中村にて第一号の田舎の5G基地局を開設した。当地の村人に5Gを体験してもらうと同時に、貧困緩和を図った通信プラットフォームを構築した。農産物のオンラインライブ販売と、将来の遠隔医療などの5Gアプリケーションの実際稼働により優れたネットワークプラットフォームを提供した。

文章・画像は人民郵電報電子版(2020-7-3)より引用:
http://paper.cnii.com.cn/article/rmydb_15686_293466.html

中国5G利用者数ほぼ1億突破

各種資料に基づき筆者作成

中国5G市場が5月も急増し続けている。
中国移動5G利用者は11.864万増で累計5561万。
中国電信は835万増で累計3005万。
中国聯通は依然として5G利用者数を公開していないが、中国電信同等かわずかに少ない程度と業界がみている。
全体として、3つの主要事業者の5G利用者は1億を突破していると見て間違いないようである。

増加幅からみると、今年以降中国移動はほぼ月1000万の増加ぶりである。1月の5G利用者は673.6万であったが、2月から4月までは、それぞれ866.3万、1632.4万、1202.2万増であった。中国電信の3月と4月はそれぞれ588万と509万の純増であった。

文章・画像は以下より引用
https://mp.weixin.qq.com/s/g3eEArKHLD-fjs_p2DV6TQ

中国広電も着々と5Gコアネットワ​​ークを開通

湖南省長沙市にて中国広電初の5Gコアネットワーク開通

6月24日、中国4つ目となる通信事業者、中国広電*が同社初の5Gコアネットワークを湖南省長沙市にて開通した。

*中国広電:中国広播電視網絡有限公司(China Broadcasting Network)は国内全土で有線テレビネットワークの業務を展開する企業で、2019年6月6日付けで中国移動、中国聯通と中国電信の3社と同時に中国工業情報化部より5Gの運営を承認する基礎電信業務経営許可証の発給を受けていた。4.9GHz〜5GHzまでの周波数帯域を割り当てられた。元々保有していたラジオ用の700MHzも2020年2月に工業情報化部より5G用として許可されている。
#6月30日に中国広電網絡有限公司が中国広電網絡株式会社株式会社を設立し、12月31日までに資本注入を完成予定としている。

業界最高の技術レベルを持つ5G SAコアネットワークが構築され、長沙市と北京市間のVoNR音声通話も実現した。

コアネットワークは5Gネットワ​​ークの中枢であり、ユーザーデータ、ネットワークセキュリティ、ビジネスの差別化とネットワーク機能の開放などの主要な機能を備えている。これを以って、中国広電社が湖南省にてToC及びToBの5Gニーズに対応可能となる。

江蘇省にて700MHzと4.9GHz「デュアルバンドネットワーキング」

続いて6月28日、江蘇省ケーブルテレビは、江蘇省初の4.9GHz及び700MHz 5G基地局アンテナを設置した。江蘇ケーブルテレビによると、この基地局建設は700MHzと4.9GHzを統合した独立したネットワークモデルを使用している。これは、江蘇ケーブルテレビが5G分野で中低周波数の「デュアルバンドネットワーキング」の能力を持っていることを示し、江蘇ケーブルテレビの5Gへの正式な参入を意味する。

貴州省貴陽市にて中国広電5G最初の試運転

更に6月30日、貴州省貴陽市広電子会社でも5G SAコアネットワークの試運転を発表し、省・市・県・郷へとシームレスカバレッジを目指すとしている。

文章・画像は以下より引用:
http://www.dvbcn.com/p/111126.html
http://www.dvbcn.com/p/111202.html
https://www.sohu.com/a/404941909_488920
https://www.sohu.com/a/404616152_120065467
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1670929925715217639&wfr=spider&for=pc