公衆Wifiは決して無料ではない!5G時代になってからの行方は?

中国の公衆Wifi(日本では公衆無線LAN)について調べてみたが、なかなか面白い。使用範囲、使用主体、信号源と使用費用別で図2のように分類できる。

                図1 公衆Wifiのサプライヤーチェーン
                  図2 中国Wifiの分類
        図3 公衆Wifiの種類

公衆Wifiには事業者、企業、商業とスマートシティを掲げる(都市)Wifiがある。公衆Wifiといっても無料と有料があり、基本的に無料に利用可能なのは商業Wifiと都市Wifiのみ。商業Wifiでもっとも多いのが飲食店やショッピングモール、ホテル、レジャー施設等。都市Wifiは政府が指定した特定な域内や大学がキャンパス内にて提供しているものが多い。
一方、企業向けWifiは当然有料。三大通信事業者も事業者Wifiを提供しているが、利用時間で料金を徴収している。

この中で一番発展しているのは商業Wifi。業種別で見ると飲食関係はトータルの
33.6%、ショッピングモールは38.5%、レジャー施設は11.2%、ホテルは5%をそれぞれ占め、残りの10.7%はその他となっている。商業Wifiの収入構成を見ると、60.3%は公告、ハードウェアによる収入は23.4%、コンテンツは16.3%。

図1のような公衆Wifiの勢力図が2015年以降から2017年頃まで急速に伸びたものの、2018年以降はほぼ横ばいしている印象を受ける。その原因はたくさんあるが、携帯電話のパケット代の降下による影響が考えられる。図4が示している通り、2018年には1G当たりのパケット代がつい8.5元(127円)に降下し、有料のWifiよりも携帯電話を直接利用することが多くなったと考えられる。実際のところ、2019年末インターネットへのアクセスのうち、99.5%以上が携帯電話によるものであった。

                図4 パケット料金の推移/1GB当たり(元)

        図5 政府無料Wifiアクセスポイント

図6 公共Bus内の5GWifi

今後この状況がさらに変化すると考えられる。
何故なら5Gサービスが昨年11月1日よりスタートし、遠隔医療や高速通信、AIとビッグデータを融合した利活用がCOVID-19にて功を奏して以来、中国政府は今年2月以降5Gをリード役としたニューインフラストラクチャ(新基建)を次第に加速してきている。各産業のデジタルトランスフォーメーションを図ったローカル5Gを全国にて幅広く推し進めながら「政府無料Wifiホットスポット」や、5Gの高速化通信を宣伝する体験スポットも急速に増加した。移動中のニーズに応える公共バス内での5GWifiも登場してきているなどの状況から見ると、5G通信エリアの拡大と通信料金の更なる低廉化によって、中国の新しい情報通信インフラの整備が確実に進んでいると言って良さそう。公衆Wifiの形も5Gの浸透によって変わっていくだろう。

図1・2・3は各種調査資料を元に筆者加工。
図4・5は下記URLより引用。
参考サイト:
https://www.sohu.com/a/114620032_115981
https://wenku.baidu.com/view/bbc223296fdb6f1aff00bed5b9f3f90f77c64d7a.html
2020年中国互联网发展趋势报告
http://pdf.dfcfw.com/pdf/H3_AP202004081377750375_1.pdf
https://mp.weixin.qq.com/s/1ioranbn9crkqh02DP6OWg
http://baijiahao.baidu.com/s?id=1631253547149722196&wfr=spider&for=pc

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です