中国深セン市5Gユースケース③スマート公共バス

http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377628.htm

2019年8月、深センバスグループは、蓮花山バスターミナルで「5Gリーディングスマートバス」の発足式を行った。10と14系統に50台の5Gスマートバスを投資し、国内初の全路線5Gスマートバス隊を整備した。蓮花山バスターミナルも国内最初の5Gバス停留所になった。

5Gスマートバス路線

◆10系統:深セン羅湖、福田地区の2つの中心エリアを跨り、深南東路、紅嶺中路、紅荔西路を結ぶ5Gスマートバス路線は深セン主要なバス路線の1つ。

◆14系統:羅湖と福田地区を横断し、深セン有名なランドマークである蓮花山公園の周りの道に沿って、深センの伝統的なビジネス地区を通過する。

華為(Huawei)5G基地局車載Free Wi-Fi

下だり最大2Gpds(常時1.5Gbps)利用可能なHuawei5G CPE(Balong5Gチップ搭載)を車載している。乗車中は無料で利用可能。

利用にあたって、携帯電話などのWi-FiにてSZBUS_5Gを選び、登録画面にて携帯電話番号を入力した後、パスワードが届き、それを入力して利用可能になる。

高画質な映像伝送でより安全な交通を実現

車載高画質画像のリアルタイムな伝送とビッグデータ・AIによる画像分析にて公共交通サービスのアプリケーションを開発する。

◆アプリケーションシナリオ1:
車両運送中の安全運転を目指した行動識別、自動警報、応急処理の応用。

◆アプリケーションシナリオ2:
高画質な映像より顔、体型の自動認識から乗車履歴と正確な乗客OD表をを生成する。

「深セン旅行」サービス

深センバスグループAI部門のマネージャー張偉は次のように述べている。
「私たちは高速なネットワークを体験してもらうと同時により楽しい体験をしていただきたい。その気持から「深セン旅行」サービスをつくった。車載360度カメラで途中の風景を全部録画し、クラウドにアップする。いつ・どこからでもAPPやインターンネットから深センの景色を楽しめる。もちろん、VRあればもっとリアリティのある体験を得ることができる。まるで我々のバスに乗車しているかのように深センの町並みを目の前で感じられるようになる。」

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126377628.htm
公共交通情報https://www.sohu.com/a/334941747_99949100
深セン晩報http://shenzhen.sina.com.cn/news/s/2019-08-19/detail-ihytcitn0169948.shtml

中国深セン市5Gユースケース②スマート医療

9月4日付けの「世界最大の5G独立ネットワーク構築、全域カバーを実現した都市ー深セン!」にて紹介している深セン市5Gユースケースについて①スマート空港、②スマート医療、③スマート公共バス、④スマート変電所と⑤スマート港の5つについて順次整理している。

本日は②スマート医療について色々調べたが、思ったほど情報が出ていない点が興味深い。継続して調べる必要がある。

深セン新聞網http://www.sznews.com/news/content/2019-04/02/content_21583601.htm
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1629768391717770670&wfr=spider&for=pc

深セン初の5Gスマート病院拠点

2019年4月2日、深セン市第3人民病院(市第3病院)は中国電信深セン子会社、華為技術(Huawei)有限公司と「5G戦略協力フレームワーク」契約を締結した。中国電信の5G、クラウドと光ファイバーネットワークの有効な組み合わせにてスマート医療界のイノベーションと密接な協力を展開することに合意した。深セン市初・中国感染症専門病院初の5Gスマート医療モデルを全力にて構築するという。

市第3病院院長のLiu Lei氏はこう紹介した。
病院、中国電信とHuaweiは5G通信環境下における遠隔診察と遠隔操作類の応用について共同研究を進める予定。例えばリモートロボット手術、リモートロボット超音波、リモートロボット内視鏡検査などある。これらの取り組みは多専門医療部門と複数手法を要する難病治療事例の普及にも役立つ。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1629768391717770670&wfr=spider&for=pc

5Gスマート病院にてできること:

5Gとクラウド、AI技術を通じて、5Gスマート病院は階層的な診断と治療、遠隔医療、インターネット相談など複数の医療現場でのアプリケーションシナリオを実装し、患者さんにこれまでにない治療体験を提供する。

◆5G通信環境では、「院前救急」が可能になる。
救急車が到着した瞬間から患者の患者の身体的兆候データ、モニタリング画像、現場の環境と救急プロセスがリアルタイムで病院に送信されるようになる。救急医は、患者運送中にて患者カルテの把握が可能になり、より正確な救急方法や必要な検査項目の指示も出せるようになる。運送中においても即座に救急・遠隔診察できる。

◆5Gによる「超低遅延」
「4Gネットワ​​ークと比較すると、5Gネットワ​​ークでの情報画像データの最大伝送速度は10数倍に増加し、エンドツーエンドの遅延は1ミリ秒よりも低く、遅延はほぼ0である」と市第3病院院長がいう。

◆国内初のDSA-DISCIVERYIGS7ORユニットの導入
複合手術室に世界で7台目となる中国国内で最初のDSA-DISCIVERY IGS7 ORユニットを導入する。これにより、手術への介入も可能になり、現場医師とのタイアップもより図りやすくなる。

◆スマート医療関連機器も発達してきている
記者が「5G産業深センツアー」(2019/4/30)にて5G通信環境可の「スマート医療」デモンストレーションにて遠隔診察を実現可能になったことを確認した。5G通信対応のポータブル超音波検査機を利用して患者検査データをリアルタイムで病院端末に送信でき、医師が即座に診察できる。

主治医の指示を受けた現場医師が超音波プローブを患者の体にて移動しながらしている。主治医側は、携帯電話の画面を通じて患者の体のそれぞれの部分のリアルタイムB超音波情報を見ることができている。

http://www.sznews.com/news/content/2019-04/30/content_21710599.htm
ポータブル超音波検査機
http://www.sznews.com/news/content/2019-04/30/content_21710599.htm

深セン市「スマート医療」連携システムの構築

新聞網の報道によると、2019年6月深セン市福田区衛生健康局が福田区医療グループを組織し、中山大学付属第八病院をリーダーとして7つの病院と83の住宅区健康センターより構成される医療連携システムを構築できているという。

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/17/c_1126378787.htm
深セン晩報https://baijiahao.baidu.com/s?id=1629768391717770670&wfr=spider&for=pc
深セン新聞網(2019/4/2)https://www.sohu.com/a/397916970_100090362
深セン新聞網(2019/4/30)http://www.sznews.com/news/content/2019-04/30/content_21710599.htm
医療科技https://www.sznews.com/news/content/2020-05/23/content_23181459.htm

中国深セン市5Gユースケース①スマート空港

9月4日にアップした「世界最大の5G独立ネットワーク構築、全域カバーを実現した都市ー深セン!」の発表会にて深セン市の5Gユースケースが紹介された。本日から①スマート空港、②スマート医療、③スマート公共バス、④スマート変電所と⑤スマート港の5つについて整理していきたい。

深セン宝安国際空港は3ヶ月より前倒して敷地内の5G完全カバレッジを実現

深セン深宝安国際空港(以下「深セン空港」)は中国6番目に大きい空港。1991年に開港し、2011年に並行滑走路が完成し2013年に供用開始している。

2000年初め、深セン空港グループは、中国移動、中国聯通、中国電信と中国鉄塔(チャイナタワーコーポレーション)・華為技術有限公司会と協力して空港内にて5Gを全速力で推進し、深セン市党委員会と市政府の建設目標より3か月前に目標達成した。

5月17日、深セン宝安国際空港のフライトエリアに最後の屋外基地局が完成したことにより、深セン空港全域にて5G信号完全なカバレッジを実現した。これは、深センスマート空港の建設における画期的なイベントであり、深センスマート空港建設の最初のデモンストレーションにおけるもう1つの重要な成果とされている。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362
https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

深セン空港の5G試運転は2019年5月より起動、3つ(計画作成・実施シナリオ・設備整備)から着実に!

2019年5月、深セン空港の5G試運転が始まっていた。

第一:包括的な計画作成
深セン空港が5Gネットワークプロジェクト特別計画を発表し、空港内28平方キロメートルという敷地範囲内における5Gへの必要性を包括的に整理した。室内および屋外の信号範囲とコンピュータルーム、光ケーブル、配電などのサポートリソースを全面的に計画し、5Gプロジェクトの遂行のためのガイドラインを示した。

第二:実施シナリオの具現化
「旅客・貨物・都市・人間・知能」の5つの戦略に着目し、深セン空港5Gアプリケーション特別企画を発足した。同企画は今年7月にて正式に完成している。空港における「旅客・貨物・都市・人間・知能」における5つのタイプの5G事業を整理し、計78のアプリケーションシナリオ、将来の5Gアプリケーションの実施ルートまで計画し、深センスマート空港の建設と5Gサービスの深い融合を目指している。

▶5G試運転時から、5G特別計画と5G+Wi-Fiアプリケーションを推進し、多元化な旅客ニーズに向けた5Gアプリケーションシナリオの研究に積極的に取り組んだ。

▶2019年に深セン空港がターミナルにおける5Gモデル基地局を完成して国内航空に率先して5G技術を試用していた。空港状況の5G+4Kライブをアピールし、旅客の5G体験を増やしてきた。

▶深セン空港5G+4K高画質放送、5G + 北斗GPS技術などの5G AIロボット、5G +パトカーを含む4つの5Gアプリケーションプロジェクトは、最先端のテクノロジーにてユーザーに最高の体験を提供できる点が評価され、深セン市政府オンライン業務応用アプリケーションの主要プロジェクトに選出されている。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

第三:徹底的な設備整備
事前に空港内のコンピュータルームのリソース、電力供給と配電の条件、及び基地局場所について徹底的な調査を行った。即座にて5G建設プロジェクトを起動し、配電、多極、コンピュータルーム冷却、ホールディングポール、消防改造と新しい光ファイバーを整備した。

▶室外基地局41基。ターミナル、飛行エリア、貨物エリアと陸側公共交通区など空港内の全エリアの5Gカバレッジ実現。

以上のすべての業務において各方面と全面的な連携体制にて取り組んできた。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

深セン空港にて現在進行中のプロジェクト

注目すべき点は、深セン空港は現在進行中のアプリケーションのみでなく、同時並行中のその他の革新的なプロジェクトも多数あり、その主旨は空港管理・空港業務問題点の改善と効率化にあり、未来型空港の大規模な運用、大規模なセキュリティと大規模なサービスビジネスとも密接に関連している。

https://www.sohu.com/a/397916970_100090362

▶華為と3つの通信事業者の最新技術と機器を採用
建物構造の特徴と空港ターミナルなどにおける人々の密度の特徴に合わせ、深セン空港は業界最新の華為(Huawei)の屋内デジタルシステムLampSiteソリューションを採用している。中国電信と中国聯通共用のHuaweiの200Mデュアルチャネル5G機器を初めて使用したことで、5Gインターネット体験を大幅に向上している。

4Gとの違い

既存の4Gネットワ​​ークと比較して、深セン空港の5Gネットワ​​ークの速度は15倍以上高速化した。ユーザーのダウンロード速度は最大で1.9Gbpsに達し、1GBのハイビジョン映画をダウンロードするのに10数秒しかかからないという。

さぁ〜、画面前にいるあなた、私も早く深セン空港に行って、早く5Gサーフィンを体験しましょう〜✈

文章・画像は以下より抜粋引用:
新華網http://www.xinhuanet.com/tech/2020-08/18/c_1126382172.htm
捜狐網https://www.sohu.com/a/397916970_100090362
深セン新聞網https://www.sznews.com/news/content/2020-05/23/content_23181459.htm

世界最大の5G独立Network構築、全域カバーを実現した都市ー深セン!

8月17日、広東省深セン市にて「深センに火を灯す、5Gスマート都市」発表会が行われ、新華網(Xinhuawang)が特設欄を設置し、5G大きく取り上げられた。

2020年は深セン市が経済特区に指定されて40周年に当たる節目となる。
同発表会はグローバルな5Gスマートシティを構築し、5G及びAI産業、各産業のデジタルトランスフォーメーションを加速するために行われたとされている。同日、深セン市政府の指導の下、深セン市工業と情報化局が主催、深セン市5G産業協会・華為技術(Huawei)有限公司が共催で開幕した。

深センは世界最大の5G独立ネットワークを構築でき、深セン市全域の5Gカバーも実現した

発表会では、深セン市陳如桂市長は「深センは世界最大の5G独立ネットワークを構築でき、深セン市全域の5Gカバーも実現した」とした。独立ネットワークとは、いわゆるスタンドアローン(SA,Stand Alone)方式で既存の4G設備を利用することなく、5G用の基地局とコアネットワーク*によって構成される「正真正銘」の5G通信ネットワーク。人口1300万の深セン市では8月14日時点で計46,480局の基地局が完成され、深セン市は全国に率先して5G時代に入ったということになる。現在、中国多くの地域にて構築されている5Gネットワークはノンスタンドアローン(NSA,Non-StandAlone)方式であり、携帯電話から基地局までが5G用の高速通信になっているが、その先は既存の4Gネットワークに依存している。

中国初のスタンドアローン方式の5G独立ネットワークが2020年9月から商用サービス開始

中国工業情報化省直轄の情報通信研究機関である中国情報通信研究院の王志勤副院長が同発表会にて「中国初のスタンドアローン方式の5G独立ネットワークが2020年9月から商用サービスを開始する」と明らかにした。

深セン市の5G SAネットワークの試運転は今年5月11日より起動していた

今年5月11日、深セン情報通信研究院(中国情報通信研究院南方分院)が深セン移動社、深セン聯通社、深セン電信社及び華為、中興(ZTE)等企業の共同建設にて全国初となる「深セン第五世代移動通信試験通信網」を正式に開通していた。

その政策的指導方針:

その政策的指導方針となったのは、2018年6月深セン市発行『深セン推進第五世代移動通信(5G)産業発展行動計画(2018-2020年)』であり、同計画には「5G応用ニーズに向けた5G試験通信網の建設を計画する」とあった。

責任行政部門を明示した上での具体的な施行手順のガイドライン

具体的な施策となったのは、2019年9月19日、深セン市工業情報化局発『深圳市关于率先实现5G基础设施全覆盖及促进5G产业高质量发展的若干措施(深セン市全域5Gインフラカバレッジ率先実現及び5G産業ハイクオリティ発展に関する若干措置)』であり、ここでは6つの具体的な手順について指示している。
5つの责任行政部門:
市工業情報化局、市発展改革委員会、市規劃自然資源局、市場監督管理局、深セン電気供給局。

1.認識を統一し、チャンスを掴む。
  深セン市すべての力を統合して5G産業の高品質な開発を促進する。
2.全体的な計画を策定し、オープンして共有する。

世界をリードする高品質且つフルカバレッジの5G通信ネットワークを率先して構築する。5Gインフラストラクチャの供給レベルを引き上げる。 
2019年末までに15,000基の5G基地局を構築し、主要エリアで5Gネットワ​​ークの完全なカバレッジを達成するように努める。2020年8月末までに、合計45,000基の5G基地局を建設し、市全域の5Gネットワ​​ークの完全なカバレッジを達成し、5G基地局の密度を中国一No.1を目指す。

3.アプリケーションの牽引力にて重点的に突破する。
  5Gアプリケーションにてモデル都市づくりに取り組む。
4.イノベーション主導で協同して難関突破する。
  全力にて5G R&Dイノベーションハイランドの構築に努める。
5.業界リーダー主導でサプライチェーンを強化し、その不足を補う。
  世界トップクラスの5G産業クラスターの創出を加速する。
6.全体的な調整にて保障を強化する。
  5G産業発展の良好な生態圏の形成を促進する。

6つのうち、3番は今年7月にて既に4.5基を建設し、8月末という目標より1ヶ月前倒して実現した!

特にこのガイドラインは参考の価値が高いと思われる。

用語整理:
*コアネットワーク:
通信ネットワークについて「端末」~「基地局」~「制御装置」~「交換機」~「他の交換機」といった構成になるが、コアネットワークは通信ネットワークの中核的な部分で「制御装置」以降の構成をいう。
アクセスネットワーク:
「端末」〜「基地局」までの構成をいう。

—筆者感想—
当日発表となった5つの分野におけるユースケースが最も興味あるのですが、時間が足らず後日の宿題となりました。たとえ今すぐに中国に戻れるとしたら、北京でもなく実家のある大連でもなく、私は真っ先に深センに行きたいと思います。本当に行きたいです。自分の目で5gによる変化を見てみたいです!
——-

文章・画像は以下より抜粋引用:
http://www.xinhuanet.com/tech/zt/ldmb/ldmb10.htm?share_device_token=6b54a547f8d0e305fb6d92d6338ad27a&share_time=1597806909514&share_type=6
http://www.caict.ac.cn/email/hydt/202005/t20200512_281173.html
http://www.sz.gov.cn/szzt2010/wgkzl/jcgk/jchgk/content/post_1313931.html
http://www.cac.gov.cn/2020-09/04/c_1600778135920650.htm

5G基地局電力消耗が大きく、中国12の省にて電力網最高負荷が30回再高記録を更新!

8月24日、中国国家電力網・国家電網信通産業グループ(STATE GRID INFO &TELECOM GGROUP)サイトの重要ニュース欄にて「12の省クラス電力網最高負荷が30回再高記録を更新!」と題する記事が目に入った。

今年8月19日までデータによると、
江蘇省電力網の最高負荷は5倍になり、1億を突破した。
浙江省電力網の最高負荷も6倍の新しい歴史的記録を更新し、天津市、山東省、上海市、安徽省、湖北省、江西省、陝西省、四川省、重慶市を含む12の地方電力網の負荷は過去最高負荷を30回も記録した。
全国電力調達量が10.75億キロワットキロワット、昨年のピーク時よりも2,400万キロワット多かった。

“新基建”和“数字经济”相关产业发展如火如荼,新动能、新模式逆势而上、表现抢眼。推动数字经济发展,推进5G基站规划建设,加快区块链技术应用和产业发展、数据中心规划发展等政策,有效刺激了经济复苏,也成为了拉动用电增长的新动能。

その原因についてこう述べている。
「新基建」と「デジタルエコノミー」関連産業が本格化し、人目を引く新しい勢いと新しいモデルがトレンドとなっている。デジタル・エコノミーの発展、5G基地局の建設計画、ブロックチェーン技術と産業開発の適用、データセンター計画と開発といった一連矢継ぎ早に登場した政策が経済回復を効果的刺激し、電力消費の増加の新たな原動力にもつながっている。」

12の省クラス電力網最高負荷再高記録更新の背後:5G基地局の凄まじい成長ぶり

これについてSina財経ニュースは「12の省クラス電力網最高負荷再高記録更新の背後:5G基地局の凄まじい成長ぶり」と報道した。

今夏は5G建設ダッシュのピークにあたる

としている。
ここ数ヶ月、5G基地局が週1.5万のペースで増え続け、最低一ヶ月約5万基を完成し、5G基地局による新たな電力消耗が無視できない。

一方、

5G基地局「高い電力消耗」難題は解決方案有り

ともされ、20%の基地局がサードパーティ電力供給になっている部分を電力会社による直接電力供給への切替で利用コスト低減策と、ZTE(中興通信)が大連市にて5G最新エコ技術の試運転に成功し、電力消耗を顕著に低減でき、既に量産段階に達していることも紹介している。

文章・画像は以下より抜粋引用:
http://www.chinapower.com.cn/xw/zyxw/20200824/28391.html
https://finance.sina.com.cn/roll/2020-08-21/doc-iivhuipn9970633.shtml

中国は5Gミリ波チップの開発に成功、2022年まで商用を目指す

中国は6月15日に5Gミリ波チップの開発に成功したと発表している。
中国工程院院士劉雲潔によると、南京市にあるネットワーク通信・安全紫金山実験室(Purple Mountain Laoratories)がCMOSミリ波完全統合4チャネルフェーズドアレイチップを開発し、チップのパッケージングとテストを完了した。

これにより、チャネルあたりのコストは1000元(約1.5万)から20元(約300円)に削減できるようになる。1024チャネルのアンテナ素子が組み込まれたミリ波大規模アクティブアンテナアレイもパッケージ化した。チップとアンテナアレイは、2022年までに5Gシステムにて商用を目指している。

実は、この開発について1月19日にて開発成果発表会並びに産業化協力合意式を行っていたことが南京市の地元メディア「現代快報」にて取り上げられていた。報道によると、同実験室は国家 863計画の5G研究開発以外、国家重大科学技術プロジェクトなど多くの技術開発を受託している。

中国工程院院院士、実験室主任劉韻潔によると、この技術開発による画期的な進歩は中国5Gの優位性を5〜10年間保つための重要な基盤を築いた。

筆者注:
初めて目にする実験室であり、組織図について確認すると、このように記されている。「研究所は公的機関の法人組織であり、行政レベルはなく、公的機関の関連規定に従って党の草の根組織を設立し、評議会のリーダーシップの下で理事責任システムを実施しています。」
もっと調べると、どうやら通信ネットワークに関する先駆的技術について専門的に研究を進み、関連技術分野にてポスドクを広範に確保している超技術系シンクタンク的存在。
更に調べると、中国総合的な科学技術センターとして2018年に設立され、今年6月20日午後、新築ビルでの開業式が行われた。
開業式には、江蘇省委員会常務委員・南京市委員会書記・紫金山実験室理事会理事長である張敬華が出席して演説した。南京市市長・実験室理事会副理事長韓立明、中国工程院院院士、実験室主任劉韻潔、中国工程院院院士、実験室副主任邬江興、実験室副主任尤肖虎、馮記春が式に出席したという。

今後一層目が離せないLabであることは間違いなさそう。

文章・画像は以下より引用:
ネットワーク通信・安全紫金山実験室
https://www.pmlabs.com.cn/plus/list.php?tid=5
https://www.pmlabs.com.cn/plus/view.php?aid=851
https://new.qq.com/omn/20200120/20200120A048JY00.html

「中国5G産業政策とデジタル社会の持続的発展」について学会発表致しました!

2020年7月4日本日、2020年度情報通信学会大会にて「中国5G産業政策とデジタル社会の持続的発展」を発表いたしました。
資料はこちらに置いておきました。
日本ではなかなか出てこない中国5G情報の共有ができれば幸いです。

WiFi6と5G、どっちが速い?

中国では5Gを代表役とした新型インフラ(New Infrastructure、新基建)の建設を推し進める中、AI、工業インターネットやBigdataも5Gに融合した戦略を掲げている。WiFi6もそのうちの一つになる可能性が出てきた。

中国で2019年は5G 元年と言われているが、同じ昨年からWiFi6も注目を浴びてきた。WiFi6は第6世代の無線技術、無線LAN標準のIEEE802.11axであり、
2019年9月16日に正式にリリースされていた。

これまではIEEE 802.11 a/b/g/n/acがあり、IEEE 802.11 n/acと比較してWiFi6(IEEE802.11ax)はレート上更に高くなり(理論上では最高で9.6Gps、伝送レートは1.2Gb / s)並行して送信できるため、作業効率が向上し、待ち時間が短縮される。カバレッジも拡張されていて、屋内から屋外への応用も可能ということでスマートパークやスマートシティへの将来的な実用が見込まれている。

WiFi6の技術的進歩による通信速度の向上

WiFi6には以下2つの技術を登用しているため、WiFi5の1.4倍、WiFi4の8倍まで実現とされている。
1.マルチユーザー伝送技術MU-MIMO(Multi-Multiple Input Multiple Outputマルチユーザー多入力多出力)とOFDMA(直交波周波数分割多重)登用。
2. BBS-Coloring。 「BSSカラーリング」は機器同士のチャネル干渉による影響を最小限にし干渉制御を前提として、より多くのユーザーが多くのWifi容量を享受できる。

WiFi 6と5G、どっちが速いのか?

現時点でWiFi 6は理論上9.6Gb / sまで通信可能。これは5G の 10Gb / sとさほど変わらないが、このレートを達成するにはWiFi 6は8つのアンテナを並列した通信が必要となる。しかし、現在市販のスマートフォンには通常2つのアンテナしか内蔵されていないため、WiFi 6のピークレートは最大で2.4Gb / sにしか達せない。よって、この観点から見ると5G には利点がある。

ただし、5G は2.4Ghz以上の極超高周波を使用する。周波数が高いほど、壁を貫通する能力が低下するため、屋内ではWiFi 6が強い。

WiFi6の普及と料金について

WiFi6は、携帯電話やその他の機器企業にとって、調達コストが今なお高価のままになっている。これ以上コストが増加するとユーザーにとって利点がほとんどなくなるため、WiFi6チップの普及速度が低下する可能性もあり、 WiFi6の普及は2023年になると業界で予測している。
また、WiFi6はブロードバンド料金を使用しているのに対して、5G パケット料金を使用するので、料金に関する面も考慮する必要がある。

5Gが屋外、WiFi6が屋内というのが今後の主流!?

地下鉄内や駅、バス停のような利用者が集中する場所では5G+WiFi6の補完が有力とされ、既に応用事例が出ている。3月6日に深セン市で中国国内で最初の5G + WIFI6補完通信が深セン市地下鉄会社が華為と中国聯通が提携し、完成した。

華為社連動コミュニティサイト:
https://forum.huawei.com/enterprise/zh/thread-606508.html
Wi-Fi技術講座(日本語):
https://www.wlan-business.org/archives/23683
https://www.wlan-business.org/archives/25022
中国電信Wechat公式アカウント:
https://mp.weixin.qq.com/s/rdH7NFFY6_KOJE9zbt2nQQ

公衆Wifiは決して無料ではない!5G時代になってからの行方は?

中国の公衆Wifi(日本では公衆無線LAN)について調べてみたが、なかなか面白い。使用範囲、使用主体、信号源と使用費用別で図2のように分類できる。

                図1 公衆Wifiのサプライヤーチェーン
                  図2 中国Wifiの分類
        図3 公衆Wifiの種類

公衆Wifiには事業者、企業、商業とスマートシティを掲げる(都市)Wifiがある。公衆Wifiといっても無料と有料があり、基本的に無料に利用可能なのは商業Wifiと都市Wifiのみ。商業Wifiでもっとも多いのが飲食店やショッピングモール、ホテル、レジャー施設等。都市Wifiは政府が指定した特定な域内や大学がキャンパス内にて提供しているものが多い。
一方、企業向けWifiは当然有料。三大通信事業者も事業者Wifiを提供しているが、利用時間で料金を徴収している。

この中で一番発展しているのは商業Wifi。業種別で見ると飲食関係はトータルの
33.6%、ショッピングモールは38.5%、レジャー施設は11.2%、ホテルは5%をそれぞれ占め、残りの10.7%はその他となっている。商業Wifiの収入構成を見ると、60.3%は公告、ハードウェアによる収入は23.4%、コンテンツは16.3%。

図1のような公衆Wifiの勢力図が2015年以降から2017年頃まで急速に伸びたものの、2018年以降はほぼ横ばいしている印象を受ける。その原因はたくさんあるが、携帯電話のパケット代の降下による影響が考えられる。図4が示している通り、2018年には1G当たりのパケット代がつい8.5元(127円)に降下し、有料のWifiよりも携帯電話を直接利用することが多くなったと考えられる。実際のところ、2019年末インターネットへのアクセスのうち、99.5%以上が携帯電話によるものであった。

                図4 パケット料金の推移/1GB当たり(元)

        図5 政府無料Wifiアクセスポイント

図6 公共Bus内の5GWifi

今後この状況がさらに変化すると考えられる。
何故なら5Gサービスが昨年11月1日よりスタートし、遠隔医療や高速通信、AIとビッグデータを融合した利活用がCOVID-19にて功を奏して以来、中国政府は今年2月以降5Gをリード役としたニューインフラストラクチャ(新基建)を次第に加速してきている。各産業のデジタルトランスフォーメーションを図ったローカル5Gを全国にて幅広く推し進めながら「政府無料Wifiホットスポット」や、5Gの高速化通信を宣伝する体験スポットも急速に増加した。移動中のニーズに応える公共バス内での5GWifiも登場してきているなどの状況から見ると、5G通信エリアの拡大と通信料金の更なる低廉化によって、中国の新しい情報通信インフラの整備が確実に進んでいると言って良さそう。公衆Wifiの形も5Gの浸透によって変わっていくだろう。

図1・2・3は各種調査資料を元に筆者加工。
図4・5は下記URLより引用。
参考サイト:
https://www.sohu.com/a/114620032_115981
https://wenku.baidu.com/view/bbc223296fdb6f1aff00bed5b9f3f90f77c64d7a.html
2020年中国互联网发展趋势报告
http://pdf.dfcfw.com/pdf/H3_AP202004081377750375_1.pdf
https://mp.weixin.qq.com/s/1ioranbn9crkqh02DP6OWg
http://baijiahao.baidu.com/s?id=1631253547149722196&wfr=spider&for=pc

中国広州市で世界初の地下鉄Local5Gが構築できた!

5月28日、ZTE(中興)と広州移動(中国移動の広州移動地方会社)が広州塔地下鉄駅にて世界初の5G SA無線PRB(Physical Recourse Block)ハードスライシングソリューションを導入した。

このソリューションには、5G端末、5G基地局、ベアラおよび5Gコアネットワークまで含まれ、エンドtoエンドまでの5G地下鉄スライシングネットワークであり、地下鉄分野における世界初のLocal5Gスライシング技術の応用を可能にした。

広州塔地下鉄駅は、中国移動と広州地下鉄の共同提携の5Gスマート地下鉄駅であり、5GベースのAR+顔識別認証機能、安全検査機、セキュリティカメラとセキュリティドアを使用して4K超高精細カメラを設置済み。

広州メトロに導入された同無線PRBハードスライシングは、5G SA環境下での業界初のアプリケーション。 QoS(Quality of Service)に基づくワイヤレススライスに比較して、無線PRBリソースのスライスは、専用のワイヤレススペクトルリソースと同様にハード分離を提供し、柔軟なPRBリソースの排他及び共有機能もサポートできる。広州メトロは、PRBリソースの一定の割合を保留にし、地下鉄Local5Gネットワークの最小と最大帯域幅を確保しつつ、広州メトロLocal5Gネットワークに必要な分離と確実性を保証できる。

本プロジェクトは、広州移動とZTE及び広州市20社以上のベンチマーク企業と関連行政の提携によるもので4月下旬より起動していた。発表後も広州移動、ZTE、広州メトロが引き続き協力し、地下鉄業界におけるローカル5Gネットワークを継続的に運営する。広州メトロの日常運用と管理の効率を高め、広州市をネットワーク、アプリケーション、生態学的にもリーダーシップを備えた「5Gパイロット都市」へと建設していく。

文章・画像が以下より抜粋引用:
https://www.zte.com.cn/china/about/news/20200602C1.html
https://www.ithome.com/0/490/517.htm
http://finance.sina.com.cn/stock/relnews/cn/2020-06-03/doc-iirczymk5050647.shtml
https://mp.weixin.qq.com/s/oWwIn72eKEINsTxTMhPDCg